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2001年10月08日(月) ■ |
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日本一の挨拶をする野球部 |
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高校野球部と挨拶は切り離して考えることはできない。いわゆる強豪と呼ばれるチームや名門と言われるチームはこの挨拶を疎かにしないし、しっかり出来ている。でも、非体育会系の私にとってはその「挨拶」がこわかったりする。あの独特のドスのきいたような声に、何を言っているのかよくわからない言葉。挨拶をする部員とされる人との間に一枚の鉄の壁があるような感じがするのだ。挨拶というのは、されると気持ちがいいものだ。でも、私は彼らの挨拶にそうしてもそれを感じられない。言葉は悪いが、「(上から)言われているからやる」。そんな感じなのだ。別にそれがいいとも悪いとも思わない。きっと野球部での挨拶と日常の挨拶は別ものなんだろうと思うようになった。 しかし、今日試合で見たチームは違った。 滋賀県立東大津高校。滋賀県大津市にある県立高校だ。特に野球が強いわけでもない。地元の子が地元の高校に進学し、普通に野球をしている。県大会では1勝か2勝レベルだ。先に「伝統校や名門校は挨拶がしっかり出来ている」と書いた。しかし、逆説が成立するわけでなはい。 ここの部員は、挨拶をする対象人物をしっかり目線を合わせ、「こんにちわ」とはっきりした口調でいう。そこに堅苦しさはなく、思わずこちらも「こんにちわ」と返してしまう。また、女子マネの子も「こんにちわ〜」と笑顔で通り過ぎて行った。「あ、これって普通の挨拶なんだな」とふと思った。確かに、指導者がそういう教育をしているのかもしれない。しかし、そこには「やらされている」という姿勢を感じなかった。「挨拶は当然のこと」として、部員それぞれになじんでいるのだ。びっくりした。そして、ちょっと親近感を覚えた。確かに「軽い」感じがすることは否めない。しかし、挨拶される人が「こわい」と思うより、親近感を覚えるものの方がはるかに「挨拶」らしいと思う。 このチーム、化けるなと思う。 それが今年か来年かいつになるかは分からない。でも、あんなにすばらしい挨拶が出来る学校を勝利の女神や地元に人がほってはおかないと思う。滋賀県は今夏近江高校が甲子園で準優勝をしたけれど、まだまだ同校が他チームを引き離したとは言い切れない。また、参加校52校中20校が甲子園出場経験を持っており、群雄割拠の地域でもある。例年上位にくる学校もめまぐるしく変わる。だから、この東大津高校に決してチャンスがないとは言えないのだ。
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