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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2001年10月21日(日)
ふるさと意識


 先日、掲示板の常連さんが、「お勧めの一冊」として、ある野球本を紹介してくださった。関東を中心として、高校野球の強豪校を各校のカラー別に紹介しているもので、学校のカラーや指導方針、チームが抱えている事等が記されており、未来の高校球児にとっては、貴重なバイブルとなりうるだろう。また、熱心な野球ファンの方々の好奇心も満たしてくれること間違いなしだ。
 私はその本を今日梅田駅前の書店で見つけ、「どんなものか」とパラパラとページをめくってみた。予想通りの濃密な内容だった。さすが「お勧め」というだけある。
 しかし、私はその本を持ってレジへ向かうことはなかった。
 理由は、本当にささいなことではあった。
 地元の鳥羽高校が紹介されていたのだが、同校の所在地が「京都府鳥羽市」となっていたのである。鳥羽市は三重県にある。京都にはそのような地名はない。度肝を抜かれるような間違いだった。正直、パッと見た瞬間は「カチン」と来た。「もう少しちゃんと調べて書いて欲しいわ!」と。でも、そんな気持ちもすぐにおさまった。人間誰しも間違いはある。また、筆者の方は関東を中心に活動されている方なので、関西の地理については疎いのもやむおえない。私だって、関東にどういう地名があるのかなんていまいちよく分からないもの。むしろ、そういう方が関西に目を向け、同校を紹介してくださることがありがたくさえ思う。だから、筆者の方や出版社に対してどうこう言う気は更々ない。
 ただ、私はどうしても購入する気にはなれなかった。
 みなさんにも経験があると思う。ささいなことが目について、ドラマや映画の感動がぶちこわしになったり、好きな異性から気持ちが離れたり。また、野球の試合でもちょっとしたプレーや選手・指導者などの仕草で一気に興ざめしたりする。強いて言えばそんな感情かなと思う。
 「京都に住んでいる」というと、多くの方から、「京都はいいところやねえ」と言われる。非常にありがたいことだ。しかし、私は「別にどうってことないですよ。夏は暑くて、冬は寒いので住みにくいですし」と返す。決して、謙遜ではない。本当にそう思っている。普段、京都を「ふるさと」として意識することは全くと言っていいほどない。私自身が、生まれてこの方この町から出たことがないのもその一因だろう。しかし、今回の一件で私の心のどこかに「ふるさと意識」があることに気付いた。
 様々な問題点を抱えながらも、甲子園大会が多くの人々を引きつけるのもわかるなあと改めて思った。

 余談だが、鳥羽高校は京都府京都市にある。住所は、「京都市南区西九条大国町1」。どこにも「鳥羽」という文字が見当たらないのが、あまりにも皮肉で…。

追伸:お勧めしてくださった方には、今回こんな形で日記を書かせていただいたことをお詫びいたします。重ね重ねではありますが、とてもすばらしし本に間違いはありません。