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2001年11月01日(木) ■ |
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ファウルボールと私 |
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今日、11/1は、この日記をリンクして頂いている「野球小僧」さんの最新刊「野球小僧NO.9」の発売日。最近すっかり出不精になってしまった私はまだ手にしていないのだが、今回の特集は「ドラフト」と「ゲッツー」だという。日に日に野球の試合が減っていく今日このごろ、内容豊富な記事を読むのが今から楽しみだ。
「野球小僧」さんは、前回の送りバントを始め、野球の重箱の隅をつつくような箇所注目をして、特集を組まれている。そこで、私が思うのは、是非「ファウル」特集を組んでいただきたいなということだ(すでにされてたらすみません。私は「NO.4」からの読者なので)。 ファウルにはドラマがあると思う。 私がそれを顕著に感じたのは、今でも名ゲームとして語られている「星稜ー箕島」の延長18回の試合の内容をある本で読んだときだ。星稜の一塁手がファウルフライを捕っていれば、ここまで語られるものではなかったのだろうと思う。 この他にも、私がリアルタイムで見た中にも、ファウルフライの取り損ないから、展開が変った試合がいくつかある。チームの勢いやスタンドの熱狂的な声援が、野手のグラブからボールを落とすことすらあるように思った。
また、野球の歴史を大きく変えたことに、ファウルが絡んでいると聞いた。2ストライクを取られるまでは、ファウルでもストライクとしたルールで野球は変わったのだと言う。 プロ野球の話に移すと、ファウルボールのファンサービスという話になるだろう。よく言われていることだが、改めてどの球団がどういうサービスをしていて、また、今後どうなっていくものなのかにも興味がある。
今日は、「ファウルボールと私」というテーマで話をしたいと思う。
学生時代、何を思ってか、野球サークルのマネージャーをしていた。入って間もないころ、ベンチで試合を見ていたら、ファウルライナーが私に向かって襲ってきた。打球は一直線にこちらに向かってくる。息を飲んだ。私は金縛りがあってみたいに動けなかった。 昔、有名なプロ野球選手が「打球が止まって見えた」と言ったそうだが、それがわかったように思った。このまま動かなかったら間違いなく当たると分かっていながら、じっとボールを凝視していた。ボールのくぼみや柄が見えた。 ほどなく、ファウルボールは、私のこめかみを襲った。 一瞬、何が起こったか分からなかった。頭がガンガンして「痛い」と感じたのはずいぶんあとのことだった。みんなが「大丈夫?」と言って駆け寄ってくれた。意識はあった。自分で公衆電話に(※そのころは携帯なんて一般人は持ってなかった時代です)行き、親に「むかえにきて欲しい」と電話した。途中で意識がなくなりかけて焦った。でも、ここで意識をなくしては大変と必死で気を持たせていた。何とかなるものなんだなと、冷静に思えたのもまたずいぶんあとのことだった。
病院で耳の近くを9針ほど縫った。こめかみというのは、厳密には正確な表現ではなかったのかもしれない。けど、感触は間違いなくこめかみだった。 二週間近く頭が洗えなかったのが辛かったが、自分の運動神経のなさを改めて思い知った。
野球場内で、ウグイス嬢が頻繁に「ファウルボールには充分ご注意ください…」とアナウンスするが、一「ファウルボールに襲われた」経験者として申し上げますと、「どないして注意したらええねん!」…となる。 前述したが、本当にボールが襲ってきたときは、動けなくなるんだから。
もしあれが硬式ボールだったら、きっと死んでるな、私。
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