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2001年11月12日(月) ■ |
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愛ある一言 |
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昨日、練習試合を見ていて、印象に残ったシーンがある。
グランドでの試合となると、選手との距離が近く、ブルペンへ行ったり、何かの用事でベンチを離れる選手がしばしば目の前を通り過ぎる。父兄さんたちは、そんな選手たちにいとも気軽に話かけられる。全くうらやましい限りだ。
あるレギュラー級の選手が通りかかった。選手のお父さんと思われる方が声を掛けた。 「なんや、試合に出てへんけど、故障してんのか?」 すると選手は、「腰がちょっと…」と気まずそうに答えた。 そして、返ってきた一言は。
「気ぃつけなあかんで」 呆れたような怒っているような、そんな口調だった。選手が「はあ」とこれまた気まずそうに頭を掻いて、足早にその場を去った。
言葉が違うなあ、と思った。 私なら、まず間違いなく、「大丈夫」とか「早く良くなってな」と返すはずだし、きっと多く方がそうだろう。
小耳に挟んだところ、その方は、もう20年近くも少年野球にたずさわっているようだ。それだけに野球の厳しさも知っているのだろう。
口調は前述した通り厳しかったが、そこに愛情を感じた。 故障したら元も子もない。 11月で全ての練習試合が終わる。 いよいよ体作りの冬がやってくる。
最後の夏、故障で…涙を飲む球児は少なくない。日頃どんなに気をつけていても、故障するときは故障する。そんなものかもしれない。でも、何もしないより何かしていた方がはるかにいいことに間違いはない。
今よりも丈夫な体と丈夫な心になって春を迎えて欲しい。
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