初日 最新 目次 MAIL HOME


あるこのつれづれ野球日記
あるこ
MAIL
HOME

2001年11月14日(水)
己を知れ2


 このところ出不精で、雑誌や本を買う機会もめっきり減った。今日、久しぶりに本屋に寄り、スポーツコーナーで立ち読みをした。

 様々な野球関連の記事で、「ワールドシリーズは素晴らしい。それにくらべて日本野球は…」みたいなことが書かれている。人が持つ感情や思いについてどうこう言う気がないが、こうも同じようなことばかり見続けていると、「だから何?」と言いたくなる。

 ここからは私個人に意見なので、異論反論は受け付けません。

 そもそも、「野球」と「ベースボール」は違うと思う。だから、比べること自体野暮っていうもんだ。日本野球によくないところがあるのなら、アメリカベースボールにも良くないところはある。ただ、メジャーが一般市民に浸透して間がないので、それはこれから見えてくることかもしれないと思う。

 少なくとも、私は、「ワールドシリーズは素晴らしい。それにくらべて日本野球は…」という立場には回りたくない。それに日本の野球ってまだまだ面白いと思う。そこに魅力を見出したい。自己満足でもいい。でも、その方がただ「面白くない」といい続けているよりはるかにマシだと思う。

 一生懸命がんばる現役野球選手を目の前に、「今の日本野球は退屈だ。面白くない」と言い切れる人は一体どれくらいいるだろう。少なくとも、私にはその自信はない。

 
 自慢できることではないが、私は学校を出てから3年半で6回も職を変わっている。その大半はアルバイトやパートという形で働いていたが、たった一回だけ正社員にだったことがある。最初の就職先で、教育関係の会社で2ヶ月間「社員」だった。

 元々は「塾講師」という雇用形態だったが、「研修」という名のもと一般家庭をアポなしで訪問するいわゆるセールスが実際の仕事だった。

 どうも体質に合わない。この不況の中、多少の強引や騙しは必要であることくらい頭ではわかってる。でも、ダメだった。どうしても人様の家のインターフォンを押せなかった。

 連休が明けたころから、同期の子と飲みに行くことが多くなった。三条の安い飲み屋で一杯やりながら、上司や先輩の噂話やセールスの道中であった出来事などたわいのないことを話した。最終電車がなくなって、真夜中の河原町通を歩いて、二条にある一人暮らしの友人の家に転がり込んで、また飲んだ。給料前になったら、コンビニで缶ビールとおつまみを買って、カップルのたむろする夜の駅前大階段に腰掛けて飲んだ。「うちらこれからどうなるんやろ」「小さい頃はコックさんなりたかってんけどなあ」。もしも話に華を咲かせた。

 昔、会社帰りに赤ちょうちんの飲み屋で酒を飲み、酔っぱらって家に帰るサラリーマンの気持ちが全然わからなかった。

 家が何より落ち着く場所なんじゃないの?だったら、家でゆっくり飲んだ方がいいんとちゃうの?経済的だし、酔っぱらってもすぐベットに直行出来るやんか。お金もったいないやん。
 こんな感じだった。

 でも、2ヶ月の社員生活で、彼らの気持ちが痛いほどわかった。飲まずにいられない。家に帰りたくない。外でしか言えないこともある。愚痴やもしも話なんて無意味かもしれない。それでも、話していたいときだってある。

 何も得られなかったように思った最初の会社で過ごしたただ1度きりの社員生活。私はここで、少なくとも自分は人を批判する立場の人間にはなれないということに気付いた。それを決して美化する気なんて更々ない。今でも町中で酔っぱらった背広姿のおっちゃんを見て、決していい気持ちはしないし、世の中には批判すべき人も必要だからだ。

 
 バッシングを受けてまで大型補強をし、1番から下位までがホームランバッターという最強の布陣をしいた巨人がペナントレースを制する事が出来なかった。
 前年度最下位の大阪近鉄が、リーグ優勝を果たした。

 やっぱり、日本野球がつまらないだなんて思えない。