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2001年11月15日(木) ■ |
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ヤイコ |
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ヤイコ、本名・矢井田瞳。言わずと知れた関西出身(今も在住)のアーチスト。名前も知っているし、シングルが出たらレンタルはしているけれど、実は顔を見たのは今日が初めてだ。某テレビ局のゲストに招かれ、50分間たっぷり歌とトーク。
10日に1回は地元大阪に帰るという地元主義のアーチスト。曲の中にわりと頻繁に英語が出てきてそれが不自然でないことに、彼女の学歴の高さ(関西大学出身)を感じる。曲のイメージは都会チックでスマート。だから、ご本人ももっとすましているような人かと思った。
ところが、ところが、ブラウン管の向こうの彼女は、ベタベタの関西弁を話し、大きな声で爽快に笑う関西の姉ちゃんだった。いっぺんに好感を持った。顔も美人というより、おちゃめな感じで、笑顔が似合う。少し童顔かなと思った。
そんな彼女が、「好きなアーチストの歌」だと言って、BLUE HEARTSの「ラブレター」を歌った。伸びやかな声で、気持ち良さそうに歌っているのが、こちらからでも見てとれた。もうすでに彼女の曲になっている。そんな印象すら受けた。彼女は、デビューして1年半しかたっていないが、多くの人に支持されている理由がわかったように思えた。
彼女はすでにイギリスでもデビューを果てしており、その上、その国のアーチストが彼女の曲をカバーしている。ちょっと前までは、カバーは洋楽を日本人アーチストがするものと相場が決まっていたように思う。それだけ、洋楽は日本人にとっては質の高いものだからだ。ということは、現地のアーチストにカバーされている彼女の曲は現地で質の高い物として認められている証拠である。すばらしいことだ。
野球界では、ベースボールの本場メジャーリーグで、日本人選手が活躍している。イチローや佐々木の記事が新聞の紙面に登場するたびに、「ああ、グローバルな世の中になったなあ」としみじみ思う。
今は、日本球界である程度実績をあげた選手でないと活躍するのは厳しいが、そのうち彗星のごとく活躍する日本人選手、「メジャーリーグのヤイコ」が現れるかもしれないなとふと思った。
印象に残った言葉がある。 「歌を作るときに、自分に嘘はつかないようにと心がけています。どうしても、相手や周りに合わせてしまいそうになるときもあるのですが、それなら自分にとっては意味がないと思って。その歌を一生面倒見れるようにしたいのです」 確かこんな感じの内容だった。
歌と文章では違うけど、「自分に嘘はつかないように」というのは、大事にすべき共通項だと思った。
実際、自分に嘘をつかないのは難しい。批判や中傷は怖いし、読んでもらいたいが故に時には読者に媚びたくなることもあるし、実際そんな文章を書くときもある。
けれど、私が書く文章は誰でもない私にしか書けない。そして、その選手のプレーはその選手ではないと出来ないのだと思う。上手いとか下手とかは関係ない。とても難しいかもしれないけれど、私はそこを見極める目を養って、それを書きたいと思う。
ある人から聞いた。 「野球を書きたいのなら、野球以外の本を読め」
もうすぐオフだ。少し野球を離れて思考の裾を広げよう。 大切なことに気付かせてくれたヤイコ、ありがとう!
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