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2001年12月02日(日) ■ |
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プレーボール |
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急に大阪に行くことになり、車中の暇つぶしにと久しぶりに「週刊ベースボール」を購入した。
さまざまな記事やコーナーがあり、読み応えのある雑誌だ。その中で、私のお気に入りは、「12球団トピックス」の中にある「ロッカールーム」というコーナーだ。ここは、野球に関すること以外にもいろいろなテーマで各球団からランダムに選ばれた選手に話を聞いている。
今週のテーマは鍋料理。中でもすごいと思ったのは、横浜・三浦選手の話に出てきた「キジ鍋」。幼いころ、お父さんが近所でキジを獲って来て、それをお母さんがさばいたのだという。
遠い昔の話のように思えたが、実はこの三浦投手は、私より2つ年上なだけに過ぎない。つまり同世代っていうわけだ。 そういえば、私より1つ年下の相方は、幼い頃、武庫川(兵庫県尼崎を流れる川)でしじみを獲って食べていたと言った。もちろん今ではそんなこと出来ようもない。
私たちの多くは、お金を出して食べ物を買う。でも、つい20年ほど前まではまだ自然の中から食べ物を得ることが出来た。改めて考えると、驚きと不思議で戸惑う。
昔は、田圃や畑、空き地という自然の中で少年たちは野球をしてきた。プロ野球の歴史を彩ってきた人たちの多くが、原点をそこに持っている。
1980年代、私たちの子供のころは、田圃や畑が段々は減り始め、「危ない」と言われながらも、家の前の道路で野球をしている子がわりといた。ピッチャーとバッターさえいればよかった。飛び入り参加、ぬけがけOKだったという。
今、野球少年を見掛けるのは、学校や河川敷にあるこぎれいなグランドや球場でだ。少年たちにとって、もはや野球は遊びではない。きれいなユニフォームを着て、高そうな野球道具を持っている。
少子化、野球人気の危機が叫ばれている中、野球少年を見掛けるとほっとするし、本当に嬉しい。でも、時代の流れを感じてもの寂しくなる気持ちも同時に湧いてくる。今の子供にとってはそれが当たり前なのだ、かわいそうとかいう気は更々ない。また、小さいころから目標を明確にもって野球に取り組んでいる子なら、早い内に高いレベルの練習をすることも悪くはないだろう。
昔通っていた学習塾の講師がこんなことを言っていた。 「子供は遊ぶことから、学ぶことを知るのです。だから、みなさんも勉強ばかりしないでたまには遊んでください」 塾講師という立場の人らしからぬ発言だが、野球にも同じことが言えなくもないなあと思う。
「プレーボール」。 単純に訳すると、「ボールで遊ぶ」、となる。
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