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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年01月27日(日)
ある高校球児への手紙


 今日、ともきちと2人して、ある野球関係者とお食事をする機会に恵まれた。縁あって、もう4、5年のつきあいになる。

 年齢の割に体格がよく、姿勢もいいので、お若く見える。独特のオーラみたいなのがあり、男性としても充分魅力を感じる方だ。最近、年輩の男性の渋さにものすごく惹かれる。

 学生時分は、手の届かない方だったので、今のこの状況が信じられない。人生捨てたもんじゃないな、とつくづく思う。

 今日も野球の話、仕事の話、世の中の話…。たくさんお話することができた。そんな中、ある高校球児の話が出てきた。

 私は、彼のプレーをずっと見ていたが、面識はない。


拝啓。
寒さが益々厳しくなる今日このごろ、いかがお過ごしでしょうか?

さて、本日、あなたの大学進学が内定したことをとある人から、聞きました。
とても嬉しく思います。

夏が終わり、野球に見切りをつけた他の部員たちが次々進学を決めて行く中、皮肉にも「大学で野球をしたい」というあなただけが、進路が決まらずにいましたね。

俊足と守備範囲の広さで下級生からレギュラーとして活躍したあなたは、新チームではキャプテンに選ばれました。

チーム結成当初は、ホームランを打つなど活躍をしましたが、春から次第に結果が出なくなって、苦しんでいたと思います。

私はそんなあなたを見て、ベストな状態で試合に臨むことがいかに難しいかを知りました。

キャプテンということで、チームの不振の責任を背負い、いろんなプレッシャーがのしかっかっていたことだと思います。

日々の練習に加え、帰宅後も走り込みをしていたと聞きました。

色々思うことがあったかもしれませんが、それでも、「3年間ここで野球をやれてよかった」と言い切るあなたには、頭が下がる思います。

他のみんなが、「野球は高校まで」という中、モチベーションを保つのは相当大変だったと思います。私だったら、きっと流されてしまうことでしょう。

最後の夏、あなた自身も、またチーム全体もいい結果が出せずに終わりました。
涙一つ見せないチームメートを見て、正直、あなたがどう思っていたか、ものすごく気になります。

余談ですが、相手校にちゃんと千羽鶴、渡せましたか?(笑)

とにかく、安心しました。
これで、あなたの進路が決まらなかったら、世間の理不尽を恨んでいたことでしょう。

まだ本試験があるので、安心は出来ませんが、「あの子はまじめだし、野球もしっかりやってくれるやろ」と関係者は言っていますよ。

「やっぱり野球が好きだから、野球を続けたい。そして、将来は野球の指導者になりたい」

あなたのそんな夢を陰ながら応援したいです。

「がんばれ」という言葉は嫌いです。

大学での4年間は、「さらに野球が好きになる4年間」になるように。
ただそう願うだけです。

ある名将の受け売りですが。

来月頭から、練習が始まるのだとか。
風邪がはやっているので、ご自愛ください。

2002,1,27  あるこ