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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2002年01月28日(月)
GO!GO!加古川線(野球日記はどないしたん編)


 今日は、相方を道連れに「ちっちゃな旅」に出た。今月頭にその存在を知り、密かに心ときめかせてきたJR加古川線に乗る、ただそれだけの旅だ。

 午前中に加古川に着き、昼から加古川線乗車のプランを立てた。昼ごはんを食べようと、「加古川にもある」という情報を仕入れたので、「天下一品(ラーメン屋)」を探して、2時間ほど加古川市内を彷徨った。

 しかし、ついに見つからず。疲労困憊した私たちが至ったのは、駅前のマクド。「ここまで来てマクドかい」っとも思ったが、そんなことかまってられないほど疲れていて、空腹だった。おいしかった。(加古川名物「かつめし」という選択又もあったのだが)

 電車に乗る前に飲み物でも買い込もうと、コンビニに向かっていたら、頭上で「ベチャ」という音がし、何かが落ちた。とっても、とっても、イヤな予感がする…。

「じぶん、鳩にフン落とされてんで〜。もろヒットや、べったりついてる」

 相方は愉快に笑ったが、当の本人は笑うの笑えない。

 あーもう、最悪〜。昨日、美容院行ってきたばかりやのに〜。あほぉ〜。

 言いしれぬ恥ずかしさと腹立たしさで、その場で取り乱してしまった。しまった、不覚をとった…。「ウンがついてるってことやん」相方は、苦し紛れのフォローを入れ、私のご機嫌を伺った。

 発車10分前の加古川線はもうすでに満員。「ぶらり旅」はのっけから当てが外れる。車両は一両。色は、緑とエメラルドグリーンの合いの子といった感じ。当HPのMENUページのコンテンツの色が、それにものすごく近い。感じのいい色だ。

 加古川〜厄神までは、市内の景色の続きといった感じで、別段「ローカル線」を感じさせるものはなかった。満員の車内も、ここを過ぎて若干余裕が出てきた。

 市場駅を過ぎたころから、いわゆる田舎の光景に入っていく。運賃も上がっていく。このころにようやく座席があき、腰掛けることが出来た。

 粟生(あお)駅は、他の鉄道との乗り換え駅。他の駅とくらべて駅舎らしかった。真横で、北条鉄道という一両編成の電車連絡待ちをしていた。こののどかな光景の中にあって、紫色の浮き具合が何ともいえない。でも、「ごっつ乗ってみたい」と私の好奇心がそそられ代物だった。荒野の中を勢いよく走り去っていった。

 川合西駅から、大量の小学生が乗り込んできた。彼らのランドセルには、定期が入っていたので、地元の小学生だろう。こんな幼いころから通学定期とは、ご苦労様、だ。

 しかし、私は子供嫌いだ。車内がまた混み合うことはもとより、あの子供独特の声が耳についてかなわない。その上座っていた私と相方の間のわずかな隙間に割り込んでくる。「負けてなるものか」、私は太股で彼女を牽制した。彼女は粘っていたが、やがて諦めて別の場所に行ってしまった。若いんやから、一駅くらい立っときなはれ。

 クソガキ…あっと、小学生たちは次の青野ヶ原駅で降りた。だが、彼らは自分のペースでのろのろと出ていく。電車の発車時間のこととか考えちゃいない。ま、こういう町じゃ当たり前のことなんだろうな。私はよそ者だし、いちいち口を挟む必要もない。

 嵐が去ったあと、隣の女子高生2人が、教科書や参考書を広げておもむろに勉強を始めた。使い古されたカバンの中には、某有名私立大学の赤本が顔を覗かせていた。受かっても、ここからじゃ下宿だろうな。石川に行ったときも思ったが、田舎の女子高生って、なんか好きだな。

 社町駅で、今までで最高人数に人が降り、乗客は、両手で足りるほどの人数になった。窓際の席に移動した。いよいよこれからが思い描いていた、「ローカル電車の旅」だ。

 電車は、西脇市駅で、15分の停車。複線であり、今までの駅で最大規模の駅舎だった。西脇といえば、「駅伝の西脇工業」。この町があの強さを生んでいるのかと思うとちょっと感動。しかし、15分の待ち時間は長かった。

 終点「谷川」まではあと少し、地元のおっちゃんとおばちゃんの世間話をBGMに車窓から見える景色を楽しんでいた。(それにしても、日本へそ公園って、どこにあるのだろう。確かに駅は存在しているのだけれど)

 約1時間40分の旅。谷川駅の時刻表を見てびっくり!電車が1日9本しかない。時間にルーズな私は、おそらくここでは暮らしていけない。その上、線路点検が何かで第4土曜日はそのうちの4〜5本が運行取りやめなのだとか。なんという!

 帰りは、福知山線と嵯峨野山陰線経由で京都へ。今日の私と野球につながりといえば、その福知山線の車窓で福知山成美高校を見かけたくらいだ。寮があんねんなあ。窓には野球部のユニフォームがかかっている部屋もあった。

 観光したわけでも、特別な感激があったわけでもない。でも、それなりに楽しかった。見知らぬ町の日常は非日常になりうる。そう気付くと、ローカル線の旅はやめられない。


追伸:鳩にフンを落とされ運をつけ、今週のラッキカラーの車両の電車に乗ったにも関わらず、別段いいことは起こらなかった。