高齢の母(89歳)を連れて長居植物園に出かけた。ネモフィラが咲いてるということだったからである。幸いなことに入場券売り場の所にレンタル用の簡素な車椅子があったので、そこに乗せて園内を周遊することにした。妻と姪も連れて行った。4人連れの道行きである。
長居植物園の駐車場はいつのまにかぼったくり価格になっていて、30分300円と大阪市中心部と同じである。ただ、上限料金は2000円となっている。大阪市内の公共駐車場はどこもかなり値上げされた。ただ万博会場へのシャトルバスの走ってる舞洲駐車場の5000円と比較すればまだマシなんだけど。
ネモフィラは入場ゲートを過ぎてから5分くらい歩いたところに一面に咲いていた。かなり大勢の見学者がいて、ネモフィラソフトクリームのキッチンカーには長蛇の列が出来ていた、ネモフィラ以外にもいろんな花が咲いてるので、ゆっくりといろんな花を見ながら園内をぐるっと回ったのである。バラ園のバラはまだほとんど咲いていない。
ネモフィラ園のすぐ近くには野菜農場があって、九条ネギとかズッキーニとかエンドウ豆とかが栽培されていたが、不心得な来場者に喰われないのだろうかと思った。
花にはどれもちゃんとネームプレートがついてるのでいい。もちろん知らない花でもグーグルレンズで調べることは可能だが、書いてくれていると助かるのである。試さなかったけど、たとえばバラの細かい品種まで分類可能なのだろうかと後から気になったのである。これまでかなりマイナーな花まで試したことがあったが、すべて正しく答が返ってきた。
コデマリが咲いている横に同じ形で少し大きな白い花があって、それがオオデマリだと知った。なるほど、確かに「小」と「大」である。
長居植物園は入場料300円と激安である。しかも大阪市民で65歳以上なら無料になる。このような施設はとても価値がある。ただ、園内にあった卵形の変な物体が気になった。夜になるとそこがライトアップされるらしい。そうして昼も夜も客を呼び寄せてゼニを稼ぎたいというのは収益性を重視すれば確かに効果は上がるだろう。しかし、光が植物や自然環境に与える影響はどうなんだろうかと思ったのである。以前に来たときには池に蓮の花がたくさん咲いていて、池の一角が大量の蓮で覆われていたのだが、なぜかすべて消滅していた。どういう理由であの蓮は駆除されてしまったのだろうか。
長居公園には巨大なサッカースタジアムが併設され、そこを本拠地とするセレッソ大阪の試合の時には大量の観客が押し寄せる。そういう場所は行政側から見れば「ポテンシャルのある場所」ということになるのだろう。もちろん大部分の人はその近くに植物園があって,四季の花々を鑑賞できるということも知らないのだろうけど。
植物園を出た頃にはお昼前だったので、それからココスというファミレスに出かけた。姪は母と並んで座り、オムライスを取り分けて一緒に食べてくれた。亡くなる前の父が入院していた病院に姪たちがお見舞いに来て、そこで父の食事のお世話をしてくれてるのを見たときになぜかわけもなく涙が出てきたことを思い出す。高齢の母にとって、孫がお世話をしてくれるというのはこの上もなく幸福な時間なのかも知れない。そうした時間はあと何年あるのだろうかとオレは思ったのである。
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