復讐から約24時間後。
ハルくんから着信。
でも、バイト中で出られなかったので、後で電話。
電話口に出た彼はいつも通り。 あっけらかんとして、訛りが更に冴えていた喋りだった。
復讐のはずなのに、全然堪えてないみたい。 そういう男の人もいるんだ、と思った。
その電話の中で、あっけらかんとしたハルくんの言葉から、本音がもれた。 多分、本人は、それほど言葉の威力を分かってイナイ。
それって、結局は自慰と何ら変わりないよね? 相手がいる自慰ってだけだよね?
そんなもののために、あたしを呼んで、こんなに不安にさせたわけ。 最低。 結局、自分が可哀想な思いするからそうしたんじゃない。 そんなのも分からないなんて。
それを分からなくて、のってしまったあたしも悪いけど。
やっぱり、この人は言われた通り、「最低のろくでもない男」だ。
あたしが、そういうものを割り切れればこうはならないだろう。 だけど、割り切れない。割り切りたくない。 そんな人に自分を預けることなんてもう出来ない。
一気に興冷めしていくのが分かる。
友達としてのオトコはいいけど。 その一線を越えようとするオトコなんて、信用ならない。
ほら。 あれだけ言ったのに、簡単にあたしから離れて、 良いようにしようとするんだ。 深く傷つけて、それでも尚、あたしに笑顔を振りまくあなたは一体何なの?
もう。自分さえも嫌。
|