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2005年07月03日(日)
「ミリオン・ダラー・ベイビー」は85点

「ミリオン・ダラー・ベイビー」クリントイーストウッド監督・主演・脚本・音楽
ヒラリー・スワンク モーガン・フリーマン

なんとも救いようのない映画。しかし、前半はむしろ明るい。この対比がすごい。
クリント渾身の演技。救いがないのはクリントである。確かにあれしか道はなかったのかもしれない。私でもそうしたかもしれない。いや、出来たかどうかは自信がないが。いや、してもしなくても後悔しながら死んでいったのには違いないだろう。モーガンが過去形で娘に父親のことを語っている以上、クリントは自殺したのだろうと見たほうがいいだろう。もちろんクリントが最期にあの店に立ち寄った以上は、スワンクは許してくれているという自信もあったのではあろう。神の救いを拒否したクリントはいったい人生の何を見たというのだろう。

人生にはいくつかの選択のときがある。インテリで、前途有望な男であったクリントにとっては、娘と決定的な「何か」があったとき、モーガンの試合を止めれなかったとき、スワンクの申し出を断りきれなかったとき、決定戦で反則を指示したとき。そのとき、決して間違った選択ではないように思えるのに、ずっと穏やかな幸せを願っていたのに、しだいしだいと反対の方向に行く。人生とはいったいなんなのだろう。またもう一度見てみなくてはならない。もう一度クリント渾身の演技を見ながら、その意味を考えなくてはならない。

ただ、スワンクの人生の選択は間違っていなかった。
(05.06.04記入)
(05.06.13一部訂正)
(05.06.23更に訂正)