秩序と混沌。 目次。|過去。|未来。
数か月おきに定期開催される部長との面談があった。 「7月からいろいろ変わったけど、どう?」と聞かれたものの 『やっぱりあの仕事イヤです このままやらされ続けるなら辞めます』 なんてことは正社員の地位が惜しくて言い出せるわけもなく。 のらりくらりと仕事の進捗を話し、 まぁ無難に終わろうかとしていたとき。 「あのね、社長が心配してるのはね、 今の席のことなんだよ」 「?」 □ 現在の居室には俗に言う御局様がいらっしゃる。 その方、言うこときつかったり気分の波が激しかったりで 会社内外から恐れられている方で。 部長が言うことには挨拶しないとか何とか 少しでも突付きどころがあると徹底的に虐めてきなさるそうで。 私も噂に聞いていたり派遣時代に突付かれたりで知ってはいたが、 そこまで酷いとは。 部下風味だった女性は隠れて泣き、 助けられたのか願ったのか配置換えが起こり、 最終的には御局配下時と同様の仕事を求めて、 辞めた。 嘱託で来てた男性は働きぶりだけでなく 人格まで否定されるような怒られ方をしたらしく、 切られたのか願ったのか、 去った。 □ 部長、しまいにゃ 「あのおばちゃん他人に厳しく自分に甘いからな」て。 あの方がヤバいってのを偉い人たちは知らないと思ってたから、 謎にほっとして。 「何かあったらいつでも言ってな」 ちゃんと下僕を心配してくれてるんだなぁって。 この人の下でならもうちょっと働き続けてもいいやって。 騙されてる気がする。 つーか地位だけでなく地理的にも遥か彼方におわす社長が 超ヒラ社員の席の位置まで気にする会社って。 アットホームっつーか何つーか。 よっぽどあの子が辞めちゃったのショックだったんだろうなぁ。
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