みのるの「野球日記」
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2001年10月05日(金) 桐光学園、全国制覇を目指し No.2

 明日6日、神奈川県秋季大会の準決勝が保土ヶ谷球場で行なわれる。対戦カードは桐蔭学園対桐光学園、平塚学園対東海大相模。この準決勝を勝ち上がれば、10月下旬から栃木県で開催される関東大会への出場権を獲得できる大事な一戦となる。
 大会前、優勝争いは「3強」を中心に繰り広げられると言われていた。夏の代表校・横浜、ベスト4の桐蔭学園、そしてベスト8の東海大相模の3校。いずれも、甲子園優勝経験がある強豪校である。3チームに共通するのは絶対的なエースがいること。横浜には、甲子園の準決勝で登板した福井良輔、桐蔭には来秋のドラフト指名確実と言われている栂野雅史、東海大相模には140kmのストレートを放る渡辺裕之がいる。このエースの力こそが、前評判で「3強」と言われた理由だ。
 
 前評判で、地元紙に「ダークホース」という扱いを受けたのが、今春センバツ出場校であり、夏の県大会2年連続準優勝の桐光学園である。1年生のときから、レギュラーとして活躍していた石井正浩や藤崎勇人ら主力がごっそりと抜け、戦力ダウンは明らかだった。公式戦初戦は、法政二校に完敗。「今年の桐光は弱い・・・」というイメージが、さらについてしまった。(9月29日の日記にも書いていますので、ご覧になって下さい)
 チームを率いる野呂雅之監督は、新チームになった当初から「目標は全国制覇!」と選手に伝えた。ある部員は、「しつこいぐらい、聞かされている」と話す。野呂監督は2年前まで、「夏の神奈川を制すること」を目標に置いていた。この考えが、「全国制覇」に変わったのは、2年前の夏の県大会決勝戦で横浜高校に敗れてからである。「あと一歩で甲子園に行けなかったことが、2年連続であった。このまま同じ事をやっていても、ずっとその繰り返しになるんじゃないか。あと一歩のカベを破るには、県大会優勝を目標にしていてはダメだ。もっともっと上の目標。全国で勝つことを目指せば、おのずと神奈川を制することも出来るのではと思った」と監督は言う。
 この成果が出たのが、2000年の秋季大会である。夏、準優勝に終わった悔しさを力に変えて、秋季県大会初優勝を遂げた。「決勝で負けたことに落ち込むことなく、次の大会に全力で臨んでくれた結果」と選手を誉めた。神奈川代表として出場した関東大会では、ベスト8に入り、センバツ初出場を決定づけた。「全国で勝つ」と掲げた目標が早速、実を結んだ。

 今年の新チーム、メンバーはがらりと変わったとはいえ、秋季大会を迎える状況は昨年と全く一緒だ。夏の大会で、昨年と同じく横浜に敗退。準優勝からのスタートである。
 先週行なわれた準々決勝・神奈川工業との一戦で、新チームを象徴するシーンがあった。野呂監督がピンチのとき、伝令を惜しみなく使い、都合3度マウンドに送り出した。試合を見ていた前キャプテンの天野喜英は「3回も伝令を使うなんて、珍しいですよ」と、少し驚いた表情をしていた。旧チームのときは、センバツと夏の予選を含め伝令を送ったのは、たった1度だけだった。その頃、野呂監督は「キャッチャーの天野にベンチから指示を出している。伝令を送らなくても、天野に伝えれば、守備陣全員に意思疎通が出来るという信頼関係がありますから」とナインに信頼を寄せていた。
 しかし、今のチームはそこまでのレベルに達していない。3度も伝令を送ったわけを監督に訊くと「新チームには悪いけど、旧チームほどの信頼はまだない。だから、伝令を送って、ベンチの考えをしっかりと伝えることで、こちらの考えもわかってくると思う。そのうち、ベンチからの指示だけで、理解してくれるようになれば良いんだけどね」と答えた。そして、「新チームによくあることだけど、試合をするごとに、一戦一戦強くなってきている」と付け加えていた。

 前評判では優勝候補にも挙げられなかった桐光学園だが、ベスト4にまで勝ち上がって来た。「今年の桐光は弱い」という評判を吹き飛ばす活躍である。明日の準決勝の焦点は、相手エース栂野攻略に全てがかかる。
 準々決勝の試合後、桐光学園の選手は慌しく球場をあとにした。もう、時間は18時を過ぎ、辺りは暗くなりつつあった。「これから学校に戻って、22時まで練習があるんですよ」。準々決勝から、わずか数時間後、桐光学園の意識は準決勝で当たる桐蔭学園に向けられていた。
 いよいよ明日、関東大会に出場する2校が決まる。


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