2003年06月03日(火) |
【感情リスク】 って? |
こんにちは、カンです。
わたしは個別相談の中で “リスク”についての説明に相当の時間を割きます。
世の中には 実にさまざまなリスクがありますね。
例えば、山本さんは 「元本保証のない金融商品はイヤだ」と思っています。
んー、そのお気持ちはよくわかります。 (特に今のご時世・・)
モノの値段も、人の態度も、 コロコロ変わるのはよくありません(笑)
お金を育てる世界では、 金融商品の価格が変動する その振れ幅のことを 「リスク」と云います。 (価格の振れ幅が大きいほど、リスクが大きいといいます)
決して「元本をいくら割った」ということをもって、 “リスクがある”というのではないのですね。
山本さんは「そうなんだ、ぼくはこの価格が変動する というのが嫌いなんだ」とおっしゃるかもしれません。
しかし、山本さんがいちばん恐れているのは、 「数字上の 元本 が割れること」 つまり、損 をすることではないでしょうか?
損をするのはイヤだ! というご自身の 強いお気持ちは理解できます。
しかし、その お気持ち に支配されて、 他の物事 が見えなくなったとしたら・・ これも立派な リスク ですよね。
根拠のない皆さんの「感情」が、 効率的な資産運用を妨げるかもしれないリスク それが皆さんの【感情リスク】なのです。
例えば、金融商品を選択する際、 自らの「思い込み」を 拠り所 にしていませんか?
マネー雑誌のコメント欄を見て、 「○○さんがこう言っているから、大丈夫だろう」と 自身を信じ込ませていませんか?
金融商品を購入する前から、価格変動のシナリオ (もちろん良いシナリオ)を勝手に思い描いていませんか?
◆ 要するに、 「思いつき」で商品を購入していませんか? ということ。
例えば、 購入した金融商品の価格が上がると、喜びますね。 「わたしの判断が、正解だったのだ」
金融商品の価格が下がると、不安になりますね 。 「予期せぬことが、起こったのだ」 (自分の選択が間違っていたとは、決して思わない)
うまく行ったように見えても、 うまく行かなかったように見えても、
皆さんの「感情」に左右される 選択 では 結局、その次の選択も
皆さんの「感情」次第、 ということになりますよね。
さて、「感情」による“選択機会”が増えると、 「感情」の 振れ幅 も大きくなります。
そのうち夜ぐっすり眠れなくなったり、 胃がキリキリ痛んできたりします。
あー、もう売っちゃえ、買っちゃえ、 あー、もうこれに賭けちゃえ! つまり、だんだん「3歳児」に退行していく、 ということになります(笑)
わたしはこのように考えます。 選択機会 が増える = 短期売買
(短期的に)うまく行ったように見えても、 うまく行かなかったように見えても、
10年後に振り返ってみると 「なんだ、結局儲からなかったな」というのが オチ です。
人間の一時的な「感情」によって、 当初決定した 投資方針 や 投資内容 に変化が生じてしまうリスク。 それが【感情リスク】なのです。
この感情リスクを防ぐには、 短期の動向に左右されない、 ある種の「図太さ」が必要です。
そして、投資政策(ポリシー)の中で 決定した ルール を遵守することが必要です。
結局、資産運用においては、
◆ 客観的で システマティックな 【自己管理能力】が求められるのですね。
(第三者である プロ を介在させるのも、 ひとつの方法です・・)
そして、政策(ポリシー)の 転換 は、 あくまで 冷静な分析 に基づくこと。
以上、言葉にして書いてみると簡単に思えるのですが・・(苦笑)
皆さん、いかがですか?
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