コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2003年06月05日(木) 暴走の結果生まれてくる“人間の戒め”、それが 法律 です


こんにちは、カンです。

(突然ですが)株式市場 に
「暴走するな!」と言ってもムダです。

株式市場という『いちば』は
暴走するところなのです(笑)

(歴史を振り返れば)
得体の知れない幾多の 会社 が
ダイヤモンドの如く売り買いされてきました。

例えば1920年代、
繁栄を謳歌したアメリカでは、
一大株式ブームが起こります。

「おじさん、株を買うなら○○会社がいいよ・・」

靴磨きの少年までが
株 の話をする世の中でした。  

F・スコット・フィッツジェラルドの短編に、
当時の世相が詳しく描かれています。
(わたしのお薦めは バビロン再訪・・)


また20年代の株式市場は、
インサイダーまがいの取引が横行し、
結構“いかがわしい”場所だったようです。 

当然「闇の権力」と結託した取引もありました。
(1919年 禁酒法制定・・アル・カポネの時代ですね)

さて、株式の売買には
「信用取引」というものがあります。

お金を借りて、手持ちの金額より
大きな売り買いを行うことをいいますが、
(かなり、リスクが高い取引です)

当時のアメリカでは、この信用取引の
保証金が「1割」で済んだのです。


つまり、100万円の元手があれば、
1,000万円の取引が可能だった、ということ。

「繁栄を永遠に!」という願いも虚しく、
1929年に 株価 が大暴落しますが、

「当時、ニューヨークの人々は、
ビルから飛び降りる人に気をつけて歩いていた」
と言われています(ホントです、)

このビルから飛び降りた多くの人は、
「信用取引」に手を染めていたのではないでしょうか。


● 信用取引 はマーケットの効率性を保つために、
  必要な機能です。

しかし、運用の初心者を安易に引き込む
昨今のオンライン証券会社の姿勢には 異議を唱えます!


さて、アメリカ人は 大恐慌の時代 を経て、
多くの教訓を学びました。

株式 という商品の売り買いを、
そしてそれを司る 取引所 を信頼されるものにしよう。

この気運を元に、1930年代を通じて
「証券法」「証券取引法」といった法律が整備されます。 

また、強力な「執行機能」を持つSEC
(米国証券取引委員会)も設立されました。

SEC とは
証券取引における、まさに“番人”なのです。

     
上記HPの「WHAT WE DO」のコーナーでは、

私たちSECの第一のミッションは、
投資家を守ることであり、
また証券市場の品位を保つことである。

と謳っています。

The primary mission of the U.S. Securities and
Exchange Commission (SEC) is to protect investors
and maintain the integrity of the securities markets.


また、1940年に制定された
「投資会社法」では、

アメリカの投資信託「ミューチュアル・ファンド」について、
次のような規制を定めています。

< 株式投資信託の場合 >

● ファンドにおける1企業の組み入れ割合は、
  ファンド純資産の5%以下とする。

● またファンドは、1企業が発行する株式数の
  10%を超えて保有してはならない。

この規制は、
2003年になった今でも守られています・・。


さて、日本の株式市場は「バブル崩壊」を受けて、
なにか 健全な規制 を定めたのでしょうか?



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