2003年07月14日(月) |
世界の期待成長分布とは? |
こんにちは、カン です。
わたしはホームページを通じて
「資産運用に用いる道具として 一番ふさわしいのは 企業(株式)です」
と申し上げています。
会社 というところは【利益】を 上げることをその存在理由とし、 常に 競争 に晒される宿命にあります。
(これを世間では 資本主義 といいます・・)
会社を作っているのは(当然)あまたの人間ですね。
毎日さまざまな場所で、 たくさんの人たちが知恵を絞りあい、 競いあっています。
また、会社は(人間と違って)長く存続する、 つまり「老い」から逃れることが可能です。
たとえ創業者の世代が亡くなっても、 会社自体が“ひとつの人格”を持って、 長く発展していく可能性があるのです。 ↑ この点が「債券」という金融資産と 大きく異なるところです。
(当然、会社という人格には 相続 がありません・・)
このような 特殊な緊張感 に覆われる 企業 という集合体(生き物)は、 期待成長 においても「淘汰の海」に晒されます。
アメリカなどは、毎年10%の会社が死に、 10%の会社が生まれている (典型的な)多産多死型の社会 です。
したがって、株式市場 という公の『いちば』に 上場できる企業群の期待成長率 は、 (当然)その国の GDPの期待成長率 を上回るのです。 (ここ、重要!)
一国の 株式市場 そのものに投資する ダイナミズム がご理解いただけますでしょうか?
さて、株式 という資産の『期待成長』を イメージしていただいたら、
次のステップは、
「では どの国・地域の企業 が、 より高い期待成長率を内包しているのか」 を考えることです。
んー、つまり、どの海で よりたくさんの魚が釣れるのか、 ということですね。
ここで考え方は大きくふたつに分かれます。 実績主義 と 未来(期待)主義 です。
実績主義 に基づけば、
「今まで アメリカやヨーロッパ で たくさんの魚が釣れてきた。
これら地域の株式を保有することで、 利益成長の分け前を頂戴できた。 今後もこれら地域は(投資対象として)重要だ」
という考え方ですね。
アメリカ、ヨーロッパ、日本などの 先進国群 は、
今後も世界経済に大きな影響を与える ビッグプレーヤーたちです。
一方、未来(期待)主義 に基づけば、
「これから先、どの地域で よりたくさんの魚が釣れるのか」を 【予測】することが何より大切なのです。
アメリカ・ヨーロッパ における 『経済規模の大きさ』に疑いを持つ人はいません。
しかし、「今までたくさんの魚が 釣れてきた大きな漁場」と、
「これから先、たくさんの魚が釣れる漁場」は まったく同じではありません。
◆ 投資 とは 変化 を見据えて 【未来の漁場】に 釣竿 を垂らすことだからです。
今後の『世界の潮流』を読み解くことが、 (実は)いちばん大切なのではないでしょうか。
経済発展の礎は、その国に住む あまたの人々、つまり「人的資源」です。
人口が多い、あるいは適度な 人口成長が期待できるということは、 経済発展にとってたいへん重要です。
< 世界の人口 を眺めてみましょう・・ >
まず顕著な 傾向 として、
発展途上地域の 人口増加率 が、 先進地域のそれよりも高いため、
(世界人口に占める)発展途上地域の人口割合 が 大きくなっていることが挙げられます。 (1950年の 67.8% から、 2000年には 80.3% へ増加しています・・)
皆さんご存知のように、 世界でいちばん人口の多い国は 中国 (約12.6億人)ですね。
しかし、中国の人口増加率は 近年下がってきています。 (直近の人口増加率は 約0.9% です)
一方、 インド(約9.8億人)はどうでしょうか?
人口増加率は 1.7% です。 中国のほぼ 2倍 ですね。
◆ つまり、早晩 インド が 世界でもっとも人口の多い国になるのです。
(インドの「人的資源」について 考えを巡らす必要あり、です)
はい、では世界で3番目に 人口が多い国はどこですか?
(なんと)アメリカ なのです(約2.7億人)
そして、アメリカの 人口増加率は 0.9% です。
→ そうです、中国 と同じなのですね(ここ、重要!)
アメリカ という国の特殊性、 それは、経済レベルでは 先進国 そのものですが、 人口増加率でいえば 発展途上国型 なのですね。
この点、わたしが『アメリカ経済』に対して 楽観的な大きな理由なのです。
以下、(人口順位では)インドネシア、 ブラジル、ロシア となっています。
人口の多さ を根拠に 「ポートフォリオ」を作成すると、
中国・インド・アメリカ・インドネシア ・ブラジル・ロシア となります。
これら地域は“消費マーケット”としても (世界経済の中で)重要な位置を占めることになります。
例えば、こんな ポートフォリオ が あってもいいのではないでしょうか。
< 実績主義 >
ヨーロッパ アメリカ(メイン)
補完として) 中国(中華経済圏として)・インド・インドネシアなど
< 未来(期待)主義 >
中国(中華経済圏として)・インド ・ブラジル・ロシア(メイン)
補完として) ヨーロッパ アメリカ
もう一度申し上げます。
私たちは何も 3年後 のために 投資を行っているのではありません。
20年後の 変化 を見据えて、 【未来の漁場】に 釣竿 を垂らすべきなのです・・。
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