2003年08月01日(金) |
住宅の販売と、住宅のリフォームはまったく違うビジネスだと思います |
わたしはリーガルの靴を好んで履いているのですが (それも典型的なローファータイプ) とにかく長持ちするのです(笑)
しかし、どうなんでしょう・・。
あまり長持ちしすぎると、次の購買が起こりません・・。 (ビジネス的にはどうかな、と思うところがあります)
実は何千万円もする 住宅 にも、 上記のような理屈が当てはまっていました。
家(一戸建て)は25年もすれば価値がなくなる 「巨大な消耗品」だったのです。
かつてのマイホーム購入者は、
終身雇用・定期昇給 という “幸せな条件”を満たしていました。
土地神話 の存在も相まって、
「(建物は)また建てればいいじゃない・・」 という風潮があったのですね。
それに、家を欲しい人が圧倒的に多かったので 商品の供給側(メーカー)が 主導権 を握ることができたのです。
住宅業界 は長らくわが世の春を謳歌しました。
ところが現在、 何が起こっているのでしょう・・。
ストックとしての 住宅 はすでに余っています。 これから家を購入する人はどんどん減っていきます。
1.人口自体 が減ります。
(超高齢化社会になり、住宅購入層の 30代、40代の人間が激減していきます)
2.少子化の影響で、 住宅 を相続する可能性が高くなります。
3.ライフスタイルの変化、雇用環境の変化 で、 借金してまで 家 を買おうという インセンティブが薄れています(わたしもその一人です・・)
「じゃあ、リフォームだ!」というのが 住宅業界 の理屈なのですね。
しかし、モノを作ることと、 モノの付加価値を高める作業(リフォーム)は 果たして同じ仕事なのでしょうか?
かつて私たちは モノ を消費することに熱中していました。 (所有欲というやつです・・)
しかし、モノ はすでに溢れていますね。
生活者は(すでに)モノ のウラ側に隠れている 「ソフト部分」に心を奪われているのです。
「それはワタシ にふさわしい」 「ワタシ仕様の○○」という 付加価値 です。
個別の ワタシ をしっかり理解してくれる サービス に 生活者はグッとくるのです(笑)
例えば、建売住宅(汎用商品)をリフォームすることは 個別化したニーズに応える究極の“サービス業”なのですね。
多摩市にお住まいの 田中さん夫妻 が リフォームを検討している理由は、 田中さん夫妻「固有のもの」です。
(お子様を含めた)ご家族の状況、今後のライフプラン、 ご夫妻の性格・嗜好・趣味・健康状態・生き方 などが
リフォーム という 自己表現手段 に如実に反映されます。
リフォームとはまさに、 テーラーメードのサービスであり
特筆すべきはこの仕事が「建て坪 ○○坪」という 限られた空間内での【創造作業】だということです。
田中さん夫妻 が モノとしての資産を 購入してからはや25年が経ちました。
今、リフォームを行うことではじめて、 「ワタシ仕様の資産」に仕立て上げることになるのです。
んー、資産 というものは、自分仕様に育ててはじめて 固有の価値 を生じるのですね。
(話は元に戻りますが)
規格品を作り続けてきた 住宅メーカーさん が、己の都合だけで
「じゃあ、次はリフォームだ!」と張り切っている姿は 滑稽ですらあります。
テーラーメードのサービス業 というものは、 いちばん大企業になじまない仕事だからです。
たくさんの生活者が、モノ のウラ側に隠れている 「ワタシのための○○」を求めています。
もちろん、ファイナンシャルプランナーも その ○○ に応えていかなければなりません。
皆さん、よい週末を!
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