コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2003年08月05日(火) 映画 レインマン と 信託 について


こんにちは、カン・チュンド です。

皆さん、
レインマン という映画をご存知ですか?

わたしはこの映画を
公開当時アメリカで観ました。

その時 Trust(信託)という言葉を
はじめて聞いたのです。


(ちょっとあらすじ・・)

絶縁状態だった父の死の知らせを聞き、
チャーリー(トム・クルーズ)は葬儀に出席するため
シンシナティへ向かいました。

父の遺産を当てにしていたチャーリーは、
父の管財人であるブルーナー医師から

「遺産の300万ドルは 信託 された」
と聞いて愕然とします。

「信託の 受益者 は
(おそらく父親の遺志なのでしょうが)教えられない」
とブルーナー氏は言うのです。

チャーリーはほどなく、
精神病院で暮らす自閉症のレイモンド
(ダスティン・ホフマン)が「受益者」であることを知ります。

そして、そのレイモンドが彼の実の兄であることも・・。
(あとは 映画 を観てくださいね・・笑)


要するに 信託 とは、
一定の目的のために 財産 や 権利等 を
第三者(受託者)に移転し、

受託者 がその目的のために
財産等の管理をすることをいいます。

いちばんわかりやすい例が 遺言信託 ですね。
(チャーリーの父親がそうです)

この場合、受託者(例えば、信託銀行)は、
受益者(レイモンド)のために、

信託された財産を管理したり、
処分したりしていくのです。


信託 のポイントは、
財産の【法的所有権】は 
例)父親から 受託者 に移るのですが、

【受益権】(その財産からの果実を得る権利)は
「受益者」に属するという点なのです。

(遺言信託 には)一家が築いた財産を
世代を超えていかに効率的に管理していくのかという
“人間の知恵”が結晶されています。


< 例えば >

一家の財産 → 子が直接相続する → お金にコントロールされる 
→ 人生が狂う という典型的なパターンがあります。

(この普遍的なパターン、人間は何百年と経験してきています・・)
  
その教訓が「遺言信託」なのです。


もっと具体的に見ていきましょう。

以下、榊原 節子 著
「欧米資産家に学ぶ ボーダレス時代の資産運用法」
(東洋経済新報社)からの引用です。

ここに、現在はアメリカに住んでいる
日本人が受取人になっている
トラストの契約書(トラスト契約)がある。

トラスト財産は200万ドル。

そのトラスト財産から上がる利子・配当については
受益者であるX氏がすべていつでも受け取れる。

しかし、元本部分についてはX氏が必要に応じて
受取り請求できることになっているが、

それは30歳までは全体の三分の一、
35歳までは三分の二を上限とし、

残りの三分の一は彼の死後、彼の指定する人、
そのような指定がない場合は、
彼の相続人に渡されることになると書かれている。

(引用 終わり・・)


どうでしょうか? 

信託 という「仕組み」を利用することで、
受益者は

「この財産は、自分の絶対的所有に属するものではないのだ」
ということを学ぶのです。

わたしは 信託 という手段が
(日本においても)急速に広まっていくと考えます。

(財産の継承 という目的のために・・)


これは何を意味するのでしょうか?

日本が豊かになったことであり、
成熟してきたことの 証 なのです。

今後、日本においては
『いかに 富 を維持・継承させていくのか』
というニーズが高まると考えます。

(わたし自身、信託関連 の
ブラッシュアップに努めてまいります・・)


カン・チュンド


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