コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2003年10月09日(木) 堺屋 太一氏の 平成三十年


こんにちは、カン・チュンド です。

わたしはいつも
「未来のことなんて誰にも断言できません」
と申し上げています。

が、人間だけが 未来を予測する力 を持っている
というのも事実ですね。

この場合、感情的な物言いで「未来予想図」を描くのか、
それとも 数字 でシビアに「未来」を並べて見せるのか?

(大きな違い です)


“数字”というのは、無味乾燥に見えますが
実に多くのことを物語ります・・。

(ということで)今日は一冊の本をご紹介しましょう。

平成三十年(上) 何もしなかった日本
平成三十年(下) 天下分け目の「改革合戦」
(堺屋 太一 著 出版社 朝日新聞社)


この本は上記タイトルにある通り、

なんら抜本的な改革ができなかった
平成三十年(2018年)の日本を予測した 近未来小説 です。

以下、小説に描かれている 事象 を列挙します。

注)このようになる可能性について、今のわたしには
なんとも申し上げることができません。

(以前にもお話しましたが)

未来 は単に向こうから
やってくるものではないからです。

今日、明日の「私たちの行い」が、
10年後の“事実”を作っていくのです。

そういう意味では 警句 となる書物でしょう・・。


★ 平成三十年(2018年)

主人公 木下和夫(43歳)1974年生まれ
1997年に 旧郵政省に入省

現在は 産業情報省 勤務
和夫の月給は 約200万円 

ボーナス諸手当を含む年収は 4,000万円
ただし、4割 は税金と社会保険に天引きされる。

少子高齢化で社会保険料は
給与の28%、労使折半でも14%も取られる。
(注 果たして、労使折半が続いているのか?)


20年前に比べて消費者物価は 約3倍 
ガソリン1リットル = 1,000円
地下鉄初乗り = 500円

2000年 = 100とすると、
輸入原油 = 380、
小麦 = 260、鉄鉱石 = 238

円の為替レートは、1ドル230円台

消費税率 12%
(新聞には憶測記事として、消費税20%も視野に)
その他に 酒税、たばこ税、自動車税 がかかる。


2018年 名目GDP 1340兆円
1人当たりGDPは アメリカの半分
GDPの規模 
アジアで台湾、シンガポールに次いで、第3位


政府債務の累計 1700兆円(現在675兆円)
平成29年度 国家予算 77兆円 の赤字、国債依存度 25%

平成29年度の指数、鉱工業生産 =マイナス8.4%
大型小売業 =マイナス3.2%
自動車生産台数 =マイナス13.4% 

失業率 =7.3%
住宅着工数=69万戸(現在160万戸)
建設業者20万社(現在60万社)


65歳以上の比率 27%
3人に1人 が65歳以上である。

介護保険料は
現在の40歳以上1人
2,500円 が15,000円 に。


年金は夫婦2人で月額50万円 だが、
2002年の貨幣価値でいうと 16万円。

平成28年の出生数 100万人 を割る・・。


以上が 平成三十年(2018年)の、
予測しうる ひとつの未来 です。



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