2003年11月27日(木) |
ロマンを求めるか、現実を取るか? |
こんにちは、カン・チュンド です。
● お知らせ
ただ今発売中の【日経マネー 04年1月号】にて 「読者の家計・資産運用 ズバリ診断」を執筆しています。 (100・101ページ)
・40代はじめDINKS夫妻からのご質問・・。 「人生後半戦の 投資スタイル」についてアドバイス致しました。
(よろしければ本屋さんにお立ち寄りを・・)
さて、どんな種類の市場であろうと、 たくさんの人から信認を得たければ、 「いちば」は 透明 にならざるを得ません。
透明な「いちば」で 情報 が発表されれば、 それは瞬時によろず人に伝わります。
< 市場とは おおむね効率的なのです >
そして「いちば」は未来に向けて、 今よりも 効率的 になっていかざるを得ません。
(なぜなら、人間がそれを欲しているからです・・)
私たちの投資スタイルは、
●「単品」で投資するよりも、 「パック商品」による投資でしたね。
したがって(投資信託による)インデックス運用か、 アクティブ運用かで心を悩ませることになります。
(これは長年、金融業界を取り巻く論争でもあります)
しかし、
市場がおおむね効率的であるなら、 (実は)すでに決着はついているのです。
歴史的データは、 アクティブ・ファンドよりも インデックス・ファンド が 良い運用成績を収めていることを証明しています。
例えばアメリカでは、 アクティブ・ファンドのおよそ70〜85%は
インデックス・ファンドより 劣った運用結果となっています。
これを詳しく分析すると、
短い期間の運用結果 → アクティブ・ファンドの方が 良い成績を収めている場合がある。
長期的には → インデックス・ファンドの方が 良い結果を出している。
という 事実 が浮かび上がってきます。
短い「時間スパン」の中では アクティブ・ファンドの 優秀性 が とかく強調されがちです。
特に「特定の業種が注目を浴びている」時期は、 インデックス・ファンドの成績を はるかに上回る結果をもたらすことがあります。
例えば今から4年前、 ITバブルの頃 を思い出してください。 (99年秋から2000年春にかけての動きです)
この時、はじめて ファンド・マネージャーという日本語が広まりました。
新聞、テレビ、雑誌等で、具体的なファンド名 (もちろんアクティブ・ファンド)が飛び交っていました。
わたしはそれらファンドの名前を いくつも覚えています。
(例えば、netWIN ゴールドマン・サックス・インターネット戦略ファンド とか)
「さて、たった4年後ですが、 現在それらの名前を聞くでしょうか?」
答え)ほとんど聞きません・・。
「では、みなファンドの運用をやめてしまったのでしょうか?」 いいえ、そんなことはありません。
運用を続けているファンドもありますよ。
しかし、生きながら (すでに)死んでいるファンドもあるのです。
◆ ここにアクティブ・ファンドの真骨頂、 【使い捨て】という 文化 を垣間見ることができます。
例えば統計データを取る際に 「アクティブ・ファンドの平均収益率は?」 という項目があるのですが、
すでに死んでしまった (= 繰上げ償還されたファンド)は「サンプル数」として 計上しないのですね。
つまり、 生き残っているファンドのみで統計を取りますので、
実際の収益率 よりも 「良い数字」が出てしまうのです。
これを、 ◆ 生存者バイアス(survivor bias)と呼びます。
ところで、インデックス・ファンドは(当然ですが) ITバブルの頃も IT企業群 に 投資が偏ることはありませんでした・・。
(なにせ いちば自体に投資するわけですから・・)
そのためアクティブ・ファンドよりは 「地味な成績」になっていたのですね。
私たちは長期的な 資産形成 を目的として 「投資」という作業を行っています。
ということは、 最後に勝てるかどうかが大切なのです。
(ウサギではなく、カメですね)
◆(ちなみに) 流行は 長続きしないから 流行 というのです。
皆さん、もう投資信託の販売会社、運用会社に コストという「寄付」を行うのはやめましょう(笑)
「でも、カン さん、アクティブ・ファンドの中にも コンスタントによい成績を上げているファンドはあるよ」
んー、さっき申し上げた (アメリカにおける)アクティブ・ファンドの およそ15〜30%を見つける、
ということですね。
それに賭けたい人は賭けてください(笑)
私たちはワクワクしたり、 心配したりするために投資を行うわけではありません。
もし、長期的にインデックス・ファンドと 同じ運用能力があるアクティブ・ファンドがあったとしても、
そのファンドは手数料(コスト)分だけ インデックス・ファンド のパフォーマンスに 劣ってしまうのです。
えっ?
つまり、結果収益として インデックス・ファンドと同じパフォーマンスを 上げようと思えば、
超過コスト分だけ、 インデックス・ファンドより「うまく」運用できなければ ならないのです。
(これってしんどい・・)
ご承知の通り、
インデックス・ファンドはいちば自体に 投資していますから、保有コストが低いのです。
わたしはいつも申し上げています。
アクティブ運用 ロマンを求める インデックス運用 現実を取る
皆さんはどちらを選びますか?
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