コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2003年12月02日(火) インデックス運用の進化形


こんにちは、カン・チュンド です。

晋陽(しんよう)では一貫して
「インデックス運用」という投資ポリシーを掲げています。

「いちば」の中で自身がヒーローになれる、
というロマンを否定しているのです。

(つまらない?)

ただし、私たちの資産運用に
まったくロマンがないわけではありません。

例えば、国・地域の 期待成長率 は
(私たちにとって)まったく未知のものです。
(なぜならそれは 未来 に関することですから・・)

したがって、どの国・地域に
どれくらいのウェイト(配分)をかけて投資を行うのか。

この点については、
運用者の誰もが「ロマン」を共有しているのです。

資産配分(アセット・アロケーション)に、
その人の【未来観】が反映される

というのは本当のことです。


さて、冒頭の「インデックス運用」。

これを進化させた道具が
ETF(イーティーエフ)と呼ばれるものです。

Exchange Traded Fund。

ここではわかりやすく
【上場型のインデックス・ファンド】と呼びます。

平たく言えば インデックス・ファンド が
ひとつの『運用体』として「いちば」に上場し、
個別の 株式 のように売買されるのです。

(でも、中身は 投資信託 そのものですよ!) 


上場しているわけですから、ETFの
【基準価格】(株価 と呼ばれますが)は、常に変動します。

ETFを「売りたい人」と
「買いたい人」の 取引 は「いちば」において
【株式】のカタチで行われますから、

売り買いのたびに、
ファンドの【純資産額】が増えたり減ったり、
ということがありません。

(ファンド自体が 手持ちの株式を売ったり、
新たに株式を買ったりということをしなくてよいのです・・)


◆ したがってファンドの【維持管理費】が、
通常のインデックス・ファンドに比べて安くすむのです。
(ここ、重要!)

ETF とは(まさに)インデックス・ファンド が
進化したカタチなのです。

1990年にカナダで生まれたETFは、
その後アメリカで急速に普及しました。

現在、アメリカのアメリカン証券取引所では
110以上のETFが上場し、売買されています。

アメリカン証券取引所 HP は
こちら。

(ETFs をクリックしてみてください)


ETFは運用者の「投資スタイル」を
根本的に変えるとわたしは考えています。

(かつてない「低コスト」で「いちば」自体に
 投資できる、という道具としての優越性ゆえ・・)

また、株式 という衣(ころも)を被っていますので、
どの証券会社でも購入・売却が可能です。

(窓口が多い = 利便性が高い)

しかし、ETFが急速に普及したのは
(実は)【競争原理】によるところが大きいのです。


アメリカで インデックス・ファンド を普及させたのは
バンガード という運用会社です。

インデックス・ファンドの隆盛に
危機感を抱いたステート・ストリート、
メリルリンチ、バークレイズグローバル などの運用会社が、

バンガードへの対抗手段として、
インデックス・ファンドを進化させた
ETF の開発と普及に力を入れたと言われています。

(現にバークレイズグローバルの
 i Shares シリーズは ETF市場を席巻しています・・)

上記決断には 多くの示唆があります。


まず、ETFは保有コストが非常に低く、
運用会社にとっては儲からない商品である
という事実があります。

しかし、大手運用会社が参入したのは
「インデックス運用」への時代の流れと、

ETFが 運用者 にとって
基幹商品となることを予測していたからでしょう。

また、保有コストが低いということは、
圧倒的なマーケットシェアを取らない限り、
ビジネスとしては成り立たないということです。

(運用会社にとっては行くもいばらの道、
 残るもいばらの道、ということでしょうか・・)


「また カンが途方もないことを言っている・・」
と思われるかもしれませんが、

ETFは間違いなく
【資産運用という市場】を塗り替えることになります。

具体的には既存ファンド からの
「乗り換え」が増加し、そう遠くない将来、
旧来型の投資信託残高を 追い抜くことになるでしょう。

繰り返しになりますが、

かつてない「低コスト」で、
「いちば」自体に投資できる、
という道具としての優越性ゆえ なのです。


そして、日本 を例に取れば、
新たな指標となる株価指数(インデックス)を開発し、

それに呼応する ETF の品揃えを行うことで、
資産運用市場に革命を起こすことさえ可能と考えます。


新たなビジネスを模索している企業さま。
(日本において)金融サービス業は成長産業なのです・・。



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