コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2003年12月18日(木) 温故知新


孔子曰く、
「事故きを温ねて 新しきを知ればもって士たるべし」

古きを訪ねて 新しきを知る・・。

わたしは
温故知新 という言葉が好きです。
 
考えてみれば、これから生まれるであろう
さまざまな「アイデア」や「技術革新」も、

元を辿れば、先人が残してくれた
膨大な 情報の賜物 であり

新しいと思われる 発想 も、
実は 過去の遺産(膨大な情報)を利用し、

一枚の 新たな情報 を付け加えて、
アレンジしたものに過ぎません。


さて、もしあなたがAという会社の窓から
市場(マーケット)を眺めると、

「市場(マーケット)とA社 は一対一で 対峙している」と
勘違いされるかもしれません。

しかし、市場 から A社 を見れば、
A社 は数ある 会社 のひとつに過ぎないのですね。

時が経てば、
(結局)企業 というものは変遷します・・。
 
その時代のニーズに合致し、
日の出の勢いでマーケットに登場しても
いつかは衰退する運命にあるのです・・。


例えば、アメリカの【S&P500】に
採用されている 500社 の変遷を見てみると、

1957年の「トップ500社」のうち、
1997年まで「トップ500社」に居続けた企業は
わずか 74社 に過ぎません・・。

実際、企業の 寿命 は年々短くなっており、
「トップ500社」に居続ける 平均年数 は

戦前で65年、1970年代で30年、
そして最近では15年にまで短縮しているのです。

< 変化のスピードが 加速 しているということ・・ >


それでは
市場(マーケット)自体 はどうなのでしょう。

マーケットは、その時代時代の
(成長力のある)企業 を取り込み、
貪欲なまでに【投資の機会】を提供してきました。 

(企業には)
【資金調達の場】を提供してきました。

◆ 市場 は(それ自体が)
  まるで 深淵かつ巨大な 胃袋 のようです・・。 


マーケットは、その時代にそぐわない
「食べ物」は突如として食さなくなります。 

マーケットは無言の圧力によって、
痩せこけた企業に「退出」を命じるからです。

哀れみをもって
「休息の場」を与えることはありません・・。

残酷なように聞こえますが、
この市場の【効率性】こそが

今日、世界経済 を
ここまで発展させてきた原動力なのです。

ここに、
私たちはひとつの 法則 を導くことが出来ます。 

(それは)

企業 いう「一個の運動体」に投資するよりも
市場 という「生態系そのもの」に投資する方が 効率的である


ということです。


先ほど【S&P500】に採用されている
会社の変遷を挙げましたが、

日本の市場(マーケット)においては、
上記の例ほど 企業の変遷 が進んでいないのが現状です。

日本においては、企業 が個人の人生基盤を作り、
個人を育む「小さな社会」として認識されてきたからです。

日本のマーケットは
まだまだ発展途上と言わざるを得ません。


それでも、今日の 市場 を、
今のような状態にまで発展させてきたのは
先人たちの 膨大な努力 の賜物です。

私たちはその遺産を、
少しでも良い状態で「次世代」に引き継ぐ義務があるのです。




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