2004年02月24日(火) |
中国のいちば について |
こんにちは、カン・チュンド です。
株式市場という「いちば」は
・会社にとっては 資金調達の場 であり、 ・運用者にとっては 投資の場 となります。
さて、わたしは先日来、
中国の企業群の「集合体」である、 市場(いちば)自体に投資をしましょう とお話していますが、
この、中国の市場(いちば)を 定義するのが少々厄介なのです・・。
大陸中国には 深セン 上海 という ふたつの市場があります。
中国政府は 外国人投資家のお金 も 取り込みたかったので、 「B株市場」というものを作りました。
これは、釣り堀の中に囲いをこしらえて 「外国人専用コーナー」を作ったようなものですから、 規模 がたいへん小さいのです。
(釣り堀のほんらいは A株市場 です)
B株市場 は時価総額が小さいので、 欧米の機関投資家には人気がありません。
今となっては、中国国内の運用者も B株のいちば に参加できますから、
A株 と B株 を分けておくこと自体、 あまり意味がなくなってきています。
(ところで)中国政府 はずいぶん前から 中国企業が「裏ワザ」を使って(海外から) 資金調達することを黙認してきました。
中国企業 による 香港市場(いちば)への上場 がそれです。
H株は(シンプルに)中国の企業が 香港に上場するパターンです。
レッドチップは中国の企業が 香港に子会社を設立して、 それを上場させるパターンです。
さて、今 中国の企業は 資金調達の 意欲 に溢れています。
(ぜひとも 資金 が欲しい・・。 今 投資 しなければいつするのだ??)
会社の 経営陣 はこう考えます。
香港という「いちば」に上場すれば、 不特定多数の投資家から 資金調達 ができる。 (しかも 海外からの資金 です)
一方、海外の運用者 にとっては (投資対象を物色する上で)
香港という「いちば」に 上場しているか否かが 「試金石」となります。
◆ 香港市場 は中国であって、中国でない、 湾の先に突き出た「前線基地」なのです。
(世界中の運用者にとっては) 中国企業 に投資する「入口」となります。
(実は)この香港市場に上場する 中国企業 を中心に捉えつつ、
(外国人が投資できる)上海B株、深センB株に 上場する企業も範疇に入れた
株価指数(インデックス)を開発しているのが MSCI(モルガンスタンレー・キャピタルインターナショナル)です。
そのインデックスの名を MSCIチャイナ と云います。
このインデックスは 未だ 発展途上 です。
りんごで喩えると、 「中心の 蜜 の部分」と云えるでしょうか・・。
極めて的を絞った、 かつ 小柄な インデックス なのです。
組み入れ企業は現在43社 (2月23日現在 )
しかも、
CHINA MOBILE、PETROCHINA、 CHINA LIFE INSURANCE の三社で、 組み入れ割合のおよそ40.6%を占めています(2月23日現在 )
「特定企業の影響が大きすぎる」 と揶揄されるかもしれません。
しかし、当インデックスは いまだ 初期の姿 なのです。
中国の 株式市場 が大きく変貌するに伴って、 (インデックスの)銘柄入替え が 幾度となく行われるでしょう。
組み入れられる企業の数も 増加していくでしょう。
「いちば」はあたかも生き物のように 「衰える企業」を吐き出し、
「新たに芽吹く企業」を取り込み、 その姿を変えていきます。
それに伴って インデックス(指数)自体も 成長していくのです。
この MSCIチャイナ の値動きに連動することを目指して 2001年の11月に設定されたファンドが
iShares MSCI チャイナ・トラッカーファンド です。
ETF として香港市場に上場しています・・。
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