2004年10月05日(火) |
ゴールド、その妖しき正体とは? その2) |
こんにちは、カン・チュンド です。
さて、2004年現在、私たちは一体どんな「世の中」に 暮らしているのでしょうか?
まず私たちは銀行に口座を持ち、 ATMでいつでもお金の「預け入れ・引出し」をすることが可能です。
(この時、普通 キャッシュカード を用います)
このキャッシュカードを使って、買い物 が出来るようになっています。 (世の中では これを デイビットカード と呼ぶ・・)
もちろん クレジットカード は世界中で使用可能です。
(最近叩かれていますが → ) 仮にあなたがシティバンクで口座を持っているとしましょう。
すると シティカード(キャッシュカード)を使って、
世界中の 提携CD/ATM から 「現地通貨」でお金を引き出すことが出来ます。
またシティバンクドルカード(米ドル決済専用クレジットカード) を用いて買い物をすれば、
ドル建て預金から直接 ドル でお金が引き落とされ、 「為替レート」を気にすることもなくなります。
また私たちは アメリカの銀行 (ユニオン・バンク・オブ・カリフォルニア)や、
香港のHSBC銀行 などに直接「口座」を開設することも出来ます。
(わたしが申し上げたいことは)
金(ゴールド)の 専売特許 だった「資産を身にまとえる」、
「持ち運べる」という メリット を 私たちはほとんど享受している ということです。
もしあなたが この国の インフレーション(物価上昇率)を 気にしているのなら、いつでも 円以外の「通貨」を用いて、
日本以外の 株式、債券などの資産 を購入することができます。
(それも日本に居ながら・・)
もしあなたがこの国の 未来 (社会そのもの、政治、経済、教育、文化、治安、環境など)に対して 強い懸念 を抱いているのなら、
海外の金融機関に直接「口座」を開き(もちろん合法的に) 自身の口座に 送金 することが可能です。
(ただし、3,000万円相当を超える 送金 については 財務大臣 に「報告書」を提出する義務があります・・)
(要するに)「世の中」は便利になっているのです。
外套(コート)の内側に 裁縫を施して 現金 を詰め込み、 スーツケースに金の延べ棒 を並べて運んでいた、
そういう 時代 ではないのです。
そのように考えますと、金(ゴールド)を ひとつの資産 として 保有するのは(正直)不便 です。
「保管」を委託すれば 手数料 がかかりますし、
ゴールド は保有しても タマゴ(利息)を産みません・・。
そして長期の歴史データを紐解けば、
ゴールド は(インフレーションを上回る)成長 を 果たしていないのです。
例えば、どれほどの 投資信託 が(その資産の中に) ゴールド を組み入れているでしょうか?
(ほとんどない・・。 外国株式「資源・素材型」を除いては・・)
外国株式「資源・素材型」と呼ばれるファンドは (いわゆる)ゴールド・ファンド です。
このファンドの値動きは 金価格の値動き に近くなります。
(正確には、ゴールド・ファンド は 金鉱山会社の「株式」を組み入れています・・)
例)インベスコ・ゴールド・ファンド
金鉱山会社の「株価」は 金価格の値動き に大きく影響されます。
しかし他の要因も 金鉱山会社の「株価」に影響するのです。
例えば、採掘の途上で たくさんの金を発見したからといって それが即 収益の向上 につながるとは限りません。
金採掘 もひとつの事業ですから、 需給関係、コスト、生産性の問題が収益構造 を複雑にします。
また金の 鉱脈 が尽きかけた時に 金価格が高騰しても
(それは)収益 には結びつきません・・。
つまり、
※ 金鉱山会社の「株価」は 金価格そのものよりも 値動きの振れ幅 が大きい ということ。
またゴールドには 政治リスク も存在します。
そのひとつが政府の保有するゴールドの「売却リスク」です。
世界各地の 金鉱山会社 はこれを懸念して、 ロビイストを雇い各国政府に圧力をかけています。
彼らの関心事は、
ゴールド を 世界の通貨の裏づけとして 中央銀行 に保有させることです。
特にヨーロッパは歴史的に ゴールド を多く保有しているため ECB(欧州中央銀行)にゴールド を一定割合保有するよう
働きかけています。
金鉱山会社も、金の研削会社も、そして販売会社も、 中央銀行がその「資産構成」を見直し、
現金比率を高める(つまり)保有する ゴールド を 一気に市場に放出することをもっとも恐れているのです。
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