前潟都窪の日記

2004年04月23日(金) 【人畜共生の混沌の国インド��】

デリー中心部の官庁街の広場に立って大統領府を眺めると右手には沢山の柱が目立つ円形の国会議事堂があり、その左手の広大な敷地の中には大統領府を頂点にして両翼を張るような形で茶色とカーキー色を基調とする二つの大きな建物がシンメトリックに建っている。ここには大蔵省、外務省をはじめ諸官庁が入っているのだという。官庁街の佇まいとしてはこのデリーのものがアジアで一番美しいと言われている。

振り返って背後を見ればインド門

が遙か遠くに聳えているのが判る。高さ42メートルのこの門は第一次世界大戦で戦死した九万人のインド兵士の慰霊碑であるが、当時はまだイギリスの植民地であり、宗主国のために犠牲を払わされたインド兵士の怨念の籠もった塔ともいえる。


 
フマユーン廟はムガール帝国第2代皇帝フマユーンの霊廟でその王妃が1565年に建てたものである。庭園の中に廟を取り入れた傑作で典型的なムガール様式である。中央ドームの高さは42.5メートルある。世界遺産に指定されていて、後のアグラのタージマハールの建設に大きな影響を与えたこの廟の堂内で声を出すと大きく反響する。

 大きな声を出してその余韻を楽しんでいると、様子を見ていた現地人の男が親切そうに、寄ってきてこちらの窓へ来て見ろメッカの方向だという。言われた通りに窓から覗いてみたが特別に変わったものが見られるわけでもない。それでもその男にサンキューと感謝の意を捧げて行こうとすると件の男やにわに片手を差し出してサムシングと言う。チップを要求するのである。

 インドではちょっとした行為、所作がすべてチップと結びついているのである。ターバンを巻いた警備員がにこにこしながら写真を撮れというのでシャッターを切るとたちまちチップと手を出してくる。タージマハールで写真を撮っているとこの場所のアングルがいいと教えてくれる男がいるのでそこへ行ってシャッターを切るとまたチップと手を出してくる。コプラ使いがいるのでカメラを向けるとワンダラーと言う。風の宮殿ではカメラアングルの一番よい所にコプラ使いが構えていていやがおうでも、チップを払わざるを得ないように仕組まれているのである。貧困の成さしめる悪智慧というべきか庶民のしたたかさというべきか。


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