前潟都窪の日記

2004年04月29日(木) 【内戦の傷跡残るカンボジア��】

 これらの遺跡の中での圧巻は都城の中心に位置するバイヨン寺院の54基の塔の四面に刻まれた巨大な観音菩薩の顔である。優しい眼差しと頬に湛えた微笑はこれを仰ぎみる人にえも言われぬ安らぎを与えてくれる。

またトムの南大門の前にかかる橋の両脇には向かって左側に神々の大きな石像が54体、右側には阿修羅像が54体並んでいる。これらの像は巨大な蛇を綱引きの綱代わりに握っていて左右両陣営で綱引きをしている。これは乳海攪拌といわれるヒンズー教の神話を表現しているのである。南大門の彫像は顔の残っているものが多く、顔の表情は全て異なっており、豊かな個性ある表情は見ていて見飽きない。

小回りコースにあるタ・プロムは仏教寺院であるが、発見当時から修復を施さず保存し自然崩落も致し方なしとする措置が取られているため、巨大なガジュマルの根が建物に覆いかぶさっているさまは異様で自然の脅威を感じさせる。

 樹木に浸食されて今にも崩落しそうな門や塔が至るところにみられるが、今後も修復の措置は取らず自然の成り行きに任せることになっているという。






観光地ではどこへ行っても、あどけない顔の子供の物売りが付きまとってくる。彼らの学校は二部制になっていて午前と午後に分かれているらしい。そのため非番の子供達が観光客に付きまとうことになるのである。年齢を聞いてみると中には五歳の子供もいるが概ね8〜12歳位までの学童である。木製の笛や絵葉書、観光案内書、Tシャツ、色とりどりの布地等を売りにくる。商品を持っていない子供はバナナの葉で作った扇を片手に観光客に風を送ったり、階段を昇降する観光客の手をとり、誘導しては小遣いをねだるのである。子供達はどことなく謙虚でまだ悪賢く擦れていないだけになんともいじらしい。豊かな国土に恵まれた国だけに内乱さえなければ、国自体もそれなりに発展して子供達が物売りをしなくても済んだであろうにと飽食の国で贅沢な生活をしながら、塾通いをしている日本人の学童達を思い出していた。同時に祖国が平和国家として発展を続け豊かな生活を営んでいる日本国民であることの幸せを噛みしめていた。


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