| 2004年05月22日(土) |
【宗教色が街角に横溢する国・・イラン�ぁ� |
乙女橋、乙女城を見てから暫く走行すると道路沿いに大小の岩の群れがそそり立っている場所にさしかかった。ガイドが指さす所をみると岩肌に数人の人物像を浮き彫りにした一つの岩があった。ゾロアスター教の善の神アフラマヅダからアルデシール1世が王権のシンボルであるリングを授けられる場面が彫刻されているのである。
 アルデシール1世はアルタ・クセルクセスとも言われ、パルチアを滅ぼして226年にササン朝ペルシャを創始した王である。従ってこのレリーフはイスラム教がこの地へ入ってくる前に彫られたものであろう。
やがてバスはフイールーズ・アバードの村へ到着した。昔はグール村と呼ばれた所である。広々とした荒蕪地の真ん中に崩れかかった、日干し煉瓦を積み重ねて建てられた四角錐状の塔がある。これはゾロアスター教の神殿跡と考えられている。この地帯一帯は緑豊かな平原で樹木も生い茂り、この神殿が村の中心として丸く広がる集落が繁栄していたと考えられているが、今は荒蕪地に変わり果てている。長年にわたり徐々に砂漠化していったのであろうが、環境変化の激しさに自然の神秘を見る思いであった。現在叫ばれている地球の温暖化現象はやがて我々が住む緑豊かな日本の国土をもこのような荒蕪地に変えてしまうのであろうか。
神殿を後にして広大な荒蕪地を暫く走行して今度はかなり大きな建物跡と思われる箇所に到着した。これは約1500年前に造営された宮殿のアルデシール跡である。イスラム教がまだ誕生していない頃のササン朝ペルシャ時代の宮殿の跡で、ドーム型の天井と壁跡が残っていた。また宮殿の近くには湧き水が溜まってできた池があるがこれも当時から用水として利用されていたもののようである。澄みきって清浄な水面は輝く太陽の光を受けて七色に美しく光っていた。子供達が手作りの腕輪などを売りにきていたが、他国の観光地の子供の売り子達とは違って万事控えめなのが印象に残った。まだ観光客も少なく擦れていないのであろうか。現にここには他の日本人観光客は見当たらず、我々のグループの他には4〜5人連れの白人観光客が2〜3組いただけであった。
今でこそ街中イスラム教一色に塗り潰された感じのある国であるが、イスラム教浸透以前の文化遺産が沢山残されているこの国は地下資源にも恵まれており、大きな可能性を秘めた国であるとの印象が強い。
今回の旅行のハイライトともいうべきペルセポリスの遺跡、ナグシェ・ラジャブ遺跡、ナグシェ・ロスタム遺跡、バサルガダエ遺跡の観光である。いずれもイスラム教発生以前の文化遺産である。
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