前潟都窪の日記

2005年11月03日(木) ローラの結婚(最終回)

 ローラの語るところによれば、ローラの父は理髪業をしているが、何故か生まれ故郷 ことを話したがらなかった。九州の片田舎で生まれ、九州の地で理髪業の修行をした後上京し、現在地で理髪屋を開業すると同時に現在の母と結婚しローラを養子に貰ったと教えられていた。

 短期大学を本業して就職し最初に配置された課の独身男性と交際が始まり結婚を決意したとき、出生の秘密を知ることとなった。その秘密とは九州の田舎で理髪業を営んでいた祖父には、男二人と女一人の子供がありローラの父は長男であった。父の弟と妹は小さい頃から仲が良く妹は大きくなったら小兄ちやんのお嫁さんになるんだと言っていたということである。子供達が思春期を迎えた頃、父の弟と妹が人の道を踏み外し妹が妊娠してしまったのである。この嬰児を長男である父が養子にして育てたのがローラであるというのである。なんともおぞましい話であるが、これでローラのような美人で聡明な女性が何故八才も年下の男性と敢えて結婚するかの謎がとけたと加賀美は思った。それにしても、本人の所為ではないがこれだけの宿命を背負った女性を包容して、敢えて結婚に踏み切った珠洲河昴の若いが故の無鉄砲な勇気とひたむきな愛情に一種の羨ましさを感じるのであ た。


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