世にもいい加減なネバーエンディング海外ドラマ
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時間が戻った時のぎこちなさが残る。握手をしていたはずの手が 離れていることが妙に思えて、手を見るランディ。マイケルが走ってくる。
マイケル 「おじいちゃん!おかえり!」 ランディ 「おぉ、マイケル。いい子にしてたかい?」 マイケル 「ちゃんとお留守番できたよ。それより遅いよ! もう、プラモデルも作っちゃったんだ。」 ランディ 「ごめん、ごめん。ほう、それより、一人で作ったのかな?(笑って)」 マイケル 「そうだよ!」 プルー 「そうね、マイケル。」 マイケル 「でしょ?ほら、おじぃちゃん、こっちこっち、見に来てよ!」
ランディ、嬉しそうに、子供部屋へ、付いていく。
プルー 「(二人を見て)あのランディが、って、あなた達も思うでしょ?」 フィービー 「思いたくないけど・・・。でも、魔物が彼氏だった人もいるしね・・・」 パイパー 「フィービー!!」 プルー 「フィービー、いい加減にしなさい。 言っていい冗談と、悪い冗談の区別くらいつくでしょ?」 パイパー 「もう、いいけど・・。ね、プルー、それにしても、ランディが魔物でないなら、 その予知は、どう説明できると思う?」
その時、普段着にきがえたヘンリーがやってくる。
ヘンリー 「父親不在でも、大丈夫だろ?挨拶も無しだ・・・。悲しいくらいだよ。 (笑っている)父さんにはかなわない。」 プルー 「仕方ないわよ。私たちも、母が健在な頃から、おばぁちゃん子だったもの。」 パイパー 「あ!(と、突然、思いついて)」 ヘンリー 「どうかしたかい?」 パイパー 「いいえ、ちょっとこっちの話で、ごめんなさい。フィービー・・・ (玄関の方に引っ張る)」 フィービー「え?え?(引っ張られながら)」
ホームウェアに着替え、リサが入ってくる。
リサ 「お茶にでもしましょうか?」 プルー 「あ、すぐに帰るので、そんな気を使わないで。お疲れでしょう?」
アンディたちが来るまで、居残らなければいけないことを思い出し、 何かを話そうと考えていると、リサのほうから
リサ 「義父には、人を魅了する、何かがあると思うの。温かい何かが。 子供にはそれがわかるのね。」 ヘンリー 「それじゃまるで、ボクが、温かみに欠ける人間みたいに聞こえるじゃないか? リサ、ひどいなぁ。」 プルー 「(笑って)」 ヘンリー 「プルー、妻まで、父の味方だよ。」 リサ 「(笑って)味方って、大げさなんだから。ヘンリー、でも、よかったわ。 ヘンリーの両親にはとてもよくしてもらったの。お義母さんが亡くなった時、 どうなるかって思ったけど、マイケルがいてくれて、よかった。 私は何もできないけれど、マイケルが、義父をなぐさめてくれているわ。」 ヘンリー 「そうだな。マイケルが父さんの、支えなのかもしれないな。 これまた、息子が二人もいて、不甲斐ない話しだけれど・・・。 とにかくよかった。」
プルー 「そういえば、今朝、マイケルが幸せの全てだって、おっしゃってたわ。 ・・・でも、その二人を産んで育てたのはあなた達二人だわ。」
ヘンリー 「確かにそうだが・・・(子供部屋を見やり) 診療所に来る患者でも、昔馴染みの人は、父に相談に来るんだ。 全く、ボクは、医者としても父を超えられそうに無い。(わざと、少し大げさに) 哀れで、情なくなってくるよ。でも、父には、長年の経験と、医療技術とは別に、 病人の心を見抜いたり、気持ちを上手く聞いてやったりする力があるんだな。」 リサ 「あなたもせいぜい経験を積むと、そうなるわ。息子なんだもの。」 プルー 「(羨ましそうに微笑んで)いいご夫婦だこと。」 ヘンリー 「ありがとう、プルー。」
話が途切れてしまいそうになるが、まだアンディたちが来る気配はない。 パイパーとフィービーも戻ってこない。プルーは、ふと思い出し
プルー 「ねぇ、リサ、帰りが遅くなったのに、ランディが・・・って、言いかけてたけど、 具合でも?」 リサ 「あぁ、ごめんなさい、心配かけるような事言ってしまって。健康よ。 ねぇ、ヘンリー?」 ヘンリー 「体はいたって健康だよ。安心してプルー。ただね、今日、亡くなった方は、 父の患者だった人なんだけど、患者と医者以上。信頼関係というか、 友情みたいなものがあったのかもしれないね。それで、告別式の終り頃かな、 父が、一人で席をはずしてしまったんだ。誰にも言わずに。 言っておいてくれれば良かったんだが、それで、少し探してね。 遅くなったって言うわけさ。そういう意味でも、すまなかったね。」
プルー 「いえ、私はそんな、・・・その方、急に悪くなられたのかしら?」 ヘンリー 「(少し考えて)いや、そうじゃないよ。こればかりは、難しすぎる問題だね。 精神科まで深く勉強していなかったし。父のところへは、何度か来ていたようだけど。」 プルー 「どういうことかしら?」 ヘンリー 「患者のプライバシーに関わる事かもしれないが・・・。」 リサ 「義父と同じ。奥様に先立たれたの。・・・・何度かお見えになったけど。 最後にお見えになったのは先週だったかしら?笑顔で帰られたのに ・・・自殺だったの。」
プルー 「(内心、「また自殺」と驚いて)!・・・そう、自殺・・・ですか・・・。」
つづく
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