世にもいい加減なネバーエンディング海外ドラマ
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日記を見つめながらプルー
プルー 「ね、アル・・・でも、どうしてこれをあなたが?」 アル 「(どう説明しようか、少し考えて)母が亡くなってサンディエゴへ行った。 親父の落胆振りはひどかった。兄と僕は患者が待っているから、そういつまでもいられない。 こっちへ一緒に帰ろうって言ったんだけど、ダメでね。」
プルー 「わかるわ・・・。マリアナのそばを離れたくなかったのね。」 アル 「あぁ。リサとマイケルが残ってくれたんだ。1週間ほどして親父は 『もう大丈夫だから』と、2人を戻した。実際、落ち着いたようだったけど、 それから毎日、マイケルに電話をさせていたんだ。」 プルー 「そうだったの。」 アル 「だからね、電話に出ないってことで、親父がいなくなったのは、 もうその日のうちにわかったんだ。」 プルー 「それで?」
次の台詞から映像はアルの回想シーンになる。
アル(声) 「僕が先に出られたからすぐサンディエゴへ行った。 2階に親父が書斎がわりに使っていた机があって、その上にこれがあったんだ。」 プルー(声)「すぐに気がついたのね。」 アル(声) 「いや。家中、それから近所を探して、警察にも連絡をして、 次に何をするべきか判らなくなって、ふと思い出したんだ。 親父が書き物や読み物をする時、そこに座っていたってね。」
現在のアルの車中。
プルー 「・・・(聞いている)」 アル 「そこに座ってみた。 (その時の感情を思い出したように少し驚いた表情、そして少し困ったように笑って) びっくりしたよ。」
アルの回想。サンディエゴのランディの家。 2階、書斎机から見える庭の緑が美しい。
アル(声) 「目の前の窓から庭が見渡せるんだ。それも、母が大切にしていた菜園が。 親父はいつもそこから母を見ていたんだよ、プルー。」 プルー(声)「素敵なご夫婦だったわ。」 アル(声) 「あぁ、慈しみあっていた・・・(本題を思い出した、というように) それで、僕は窓を開けてみようと思った。柔らかな風が入ってきたよ。 驚いたことに、手元の日記がぱらぱらとめくれて、この最後のページを示したんだ。 母が教えてくれたんじゃないかと思ったね。」 プルー(声)「(どきっとしながら)ええ、そうかもしれないわね。」
アル(声) 「文字が目に入ったよ。悲しげな文字。父は、母のいない庭を見つめていて、 思い余ったのかと、そのときは考えた。」 プルー(声)「そう思っても仕方がないわ。」 アル(声) 「警察が来るまでの間に、どこか行きそうなところとか、手がかりはないかと、 他の日付のものも見てみたけど、わからなくてね。」
現在のアルの車中に戻る。
アル 「警察に渡していたんだが、調べ終わって手元にね、却ってきたんだ。」 プルー 「それであなたが持っていたの。」 アル 「サンディエゴの家はまだそのままにしてあるから、向こうに戻すつもりで 僕が預かっていたんだよ。そうする間に親父が帰ってきたんだ。 でも、親父に渡すのも、何だかね。」 プルー 「そうね。でも、それで、どうして今、私に?」 アル 「母が宝石を売るつもりだったかどうか?って、話してくれただろう? これを思い出してね。親父が母からそういうことを聞いていたかどうか、 何か書いてないかと、もう一度見ているうちに、何か、胸騒ぎがしたんだ。」
プルー 「でも、ヘンリーたちでなく、私に?」 アル 「わからないよ。不思議だな。(少し笑う)君に渡さなきゃって、 まるで頭の中で声が聞こえたような感じかな?なんていうんだろう、 夢で見たような・・・上手く説明できないけど。」 プルー 「そう・・・(考えている。心の中でつぶやく)もし、何かマリアナが伝えたいとして、 どうしてそれがランディの日記なの・・・わからないわ。」
アル 「(プルーが黙り込んだので)もともと親父は日記なんてつけてなかったんだ。」 プルー 「え?!」 アル 「もちろん、医者としての記録みたいな日誌はつけていたよ。」 プルー 「それじゃ、これは?」 アル 「最初の部分に書いてあった。突然、母が言い出したらしい。」 プルー 「マリアナが?」 アル 「あぁ、サンディエゴでの日々のことを書いてみたら?ってね。 親父、リタイアして田舎に引っ込んでぼーっとしてしまうんじゃないかと、 母が心配したのかもしれないね。(笑って)」 プルー 「(笑ってみせる)」
アル 「強く勧められて書き始めたけど、日記っていうより、日誌って感じなんだよ。 親父らしいっていうか。・・・それが、だんだん、日を追うにつれ、 詩的っていうのかな?その日あったことだけじゃなく、考えていること、気持とか、 そういうものも書くようになったみたいだ。」
プルー 「そう。(と、手元の日記のページを戻してみる。)あら?」 アル 「母の事故の日『今日、妻が死んだ』と書いてからは、日付だけで何も書いてないだろ?」 プルー 「ええ。」 アル 「マイケルたちに戻ってもいいと言ってから、少しづつまた書いている。 そして、最後のは、本当に、詩的すぎて、びっくりさせられたよ。」
プルー 「あの、今は?今はもう書いてらっしゃらないの?」 アル 「あぁ、これは渡さない方がいいとは思ったけれど、母の勧めだったからね、 兄が新しい日記帳をプレゼントしようとしたらしいけど、興味を示さなかったようだ。 辛いのかもしれないし。だから、書いてないよ。」 プルー 「そう・・・・。」
と、言っているうちに、ハリウェル家に着いた。 アンディたちはまだのようだ。
つづく
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