暁降
あかときくだち:
夜が更けいって、明け方近くになること。

2003年07月06日(日) 静寂の夜に波濤が聞こえる

ふと私は考える。
私は愛されて生きてきた。
自惚れでもなく事実として、私は両親に愛され、家族に恵まれ、友人たちにも恵まれてる。
だけれど。
何故だかぽっかりと穴が空いている。
心が寂しくなる。
静寂が訪れた夜。
波の音がひときわ響く夜。
私は一人を感じる。
誰にも愛されてないと思う。
家族の愛情。
友情。
それらを感じているのに無性に一人だと感じる。

特別でなくていい。

誰か私に好きだと言ってくれれば。

誰にも、ただの一度も、言われたことがない。
好きだ、と。

ただ一人も、私を必要としていない。

生涯をともにするという現実を見据えて。

付き合った人からは、言われたことが無く。
好きだと言った人は、私を必要としなかった。
ただ伝えられる言葉はあったけれど、私はそのあと必要されなかった。
私は言葉を伝えられただけの存在でしかなく。
それから先に続く道には必要とされなかった。

付き合った人は、決してその言葉を口にしない。
言わなくても解るだろうと云う態度で。
だから私の心はいつだって中途半端。

言わない人は去っていく。
伝えた人さえ去っていく。

ただこれだけのことなのに我が儘なんだろうか。
ただ一言好きだと、必要だと、言われることを望むのは。


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