2003年07月22日(火) |
晴れた空にはベランダから永遠が見える |
過ぎてしまったから見えるもの。
「それって、きっと贅沢なことなんだよね。」 友達に弟のこと喋ったら、そんなこと言われた。
あたしは二十歳をやっと越えた大学生で。 ガッコウを出たあと何をしようかなど定まっちゃいない。
成人式を迎えて、世間的にもどこを向いても取り敢えず、大人として認められるようになった。 でも本当は全然大人なんかじゃない。 気持ちはまだジョシコウセイ。 二十歳って、言葉は幻想で。 大人にそう簡単になれるモンじゃないと知ったのは誕生日を迎えた夜。
そんなあたしが通う大学は、取り敢えず受かりそうだなってトコ受験して、受かったところ。 学部も学科もそんなモン。
今更何でそんなこと言ってるかと云えば、弟が進路で悩んでた。 まだ十七歳のお子様が、一張前にどうしたらいいのか何したらいいのかと、真剣に戸惑ってたからだ。
あたしが悩まなかった分だけ、悩んでた。
すっごくすっごく、憎たらしかった。 違う。 悔しかった。あたしが悩まなかったことを、悩んでみせる弟が。
悔しくてむかついて。気がついたら勝手なこと、言ってた。
足掻けばいいだって。それこそ、本当に何にも知らないのに。 悩みなんて決して、見せなかったのに。
違う。 あたしだって、多分、本当は悩んでた。 だって見せたくなかった。 悩むなんて莫迦なことだと思ってた。 本当にしたいことなんて真剣になる必要見せることないんだって。 愚かなあたしはそう思って。 受かる大学受けて受かった学校に通ってる。
解らなかったんだもの。 悩んで良いのかなんて。 知らなかったんだもの。 知ることを畏れてたよ。 愚かなことだったって。 今更だけど自覚してる。
今からでも遅くない? あたし、何か見つかりそうなんだ。 まだ、間に合う? 何か、まだ解らないけど。 胸の中のモヤモヤというか、定まらない気持ちと云うかムシャクシャした何かがココロの中で燻ってる。 もうすぐ、きっと、叫び出したくて泣きたい何かが、カタチになるまで。
晴れた空に向かって絶対。 遠い空と雲と。 高気圧の高い空に見える飛行機。 永遠なんて見たことないけれど。
手にしてみせる。
その前に。 取り敢えず弟には謝っておくか。
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