金色の夢を、ずっと見てる

2009年06月14日(日) 『井上雄彦 最後のマンガ展』見てきた。

今日は、大学時代の友人アヤノと2人で『井上雄彦 最後のマンガ展』を見に行ってきました。


東京で開催されてすごい話題になったというマンガ展。高校時代『スラムダンク』にはまり、今は中断してるけど『バガボンド』も読んでた者としてはぜひ見に行きたい。同じく行きたがってたアヤノと日程を調整し、最終日にようやく見に行く事ができました。

ちなみに、私はユウを実家に、アヤノは子供2人を旦那さんに預けてのお出かけです。てか本当は私も次郎君がユウを見ててくれるはずだったのに、数日前になって
「友達んとこの新築の手伝いに行く事になっちゃった」
……その日は子供を見てないといけないから、て断らないの?私、もう友達と約束しちゃってるんだよ?最終日だから延期もできないのよ?それでどっちの実家もヒマじゃなくて預かってもらえなかったらどうするの?と唖然とさせられたんですが、幸いうちの両親が休みでヒマだったので預かってくれた次第で。

友達大事にするのはいい事だけど、家族を蔑ろにしてどうすんだバカヤロウめ…と思ってたとこに昨日の一件ですよ。腹が立つったら。



まぁそれはおいといて、井上雄彦展。たまたま昨日行った人から情報をもらえたんですが
「午前から行ってて、昼過ぎに出た時にはもう当日券が完売してた」
という話を聞いたんですね。げげっ、マジで?これはのんびりしてたら入れない可能性もあるのでは?というわけで、朝一の時間で行く事にしました。10時ぐらいに開場だろうから、10時を目指していけば大丈夫だろう。すぐには入れなくても、当日券が買えればいいよね。そう思って10時10分ぐらいに熊本現代美術館に着いたのです。


美術館は建物の3階。1階のエスカレーターの上り口付近に当日券売り場。パッと見た感じ30人程度が蛇行した行列を作ってるけど、でもそれだけみたい。よし、やっぱり早めに来て正解だったね♪…と並ぼうとしたら、警備員のおじさんに
「当日券の購入ですか?」
と止められました。はいと答えると
「すいません、当日券を買われる方はあちらに並んでいただいてるんです」
と警備員さんが示した先には………


少し離れたアーケードの中に、横に5〜6人ぐらいの幅で長さ50m以上の行列が出来てました。ぎゃー!しかも後ろの方に『最後尾』と書かれたプラカードを持ったお姉さんがいたんですが、そのプラカードに『ただいま、15時入場の当日券を販売しております』って書いてある。

え、つまり今これに並んで当日券を買っても、15時にならないと入れないって事ね?


ちょっとだけクラッときましたが、しかし買わないわけにはいかない。予想以上の盛況ぶりにビビリながらも、とりあえず行列に並びました。アヤノと2人で
「思ってた以上だったね…」
と話す間にも、行列どんどん伸びてるし(汗)


結局、当日券が買えた時点で11時回ってました。“入場時間の30分前から並んでいいよ”という事だったので、じゃぁ14時半まで時間をつぶさなければ。そんじゃまぁとりあえずランチに行こうか。



『子供が一緒だと行けないような店』で『子連れじゃ食べられないもの=コース料理』を食べよう!という事になり(笑)2人であれこれ相談した結果、すぐ近く(というか美術館の隣)のホテル日航熊本の中にあるフレンチレストランのランチに決定。わ〜い♪

前菜の『トマトと生ハムの冷製カッペリーニ』に始まり、オーソドックスなコーンスープ、魚料理は海老と帆立、肉料理はひき肉のキャベツ包み…要するにロールキャベツ(笑)でもマデラ酒を使った甘めの爽やかなソースですごくおいしかった。デザートは、私はレアチーズのムースにマンゴーのジェラート、アヤノはピスタチオのサバランにショコラジェラートのセット。どれもこれも味はもちろん、上品な盛り付けで見た目にもおいしいって感じで大満足。


食後のコーヒーまでおいしく頂いて、まだちょっと時間があるのでお買い物。それぞれお気に入りの店をのぞいてちょっと服を買い、14時半に美術館前に戻ってきました。そこでさらに並んで待ちます。見る時に混雑しないように少しずつ人数を区切っての入場なので、列が進むのが遅い事遅い事(^^; 親子連れの人とかも結構いて、そういう人にはスタッフがキッズスペースを案内してました。子供は行列は辛いよねぇ。

ようやく館内に入れたのは15時15分ごろだったと思います。それまでアヤノとなんやかんやとしゃべってたんですが、入った途端無言に。それぞれのペースでじっくりと見て行きました。



肝心の展示内容については……ごめんなさい、上手く言えません。なんと言うか、どんな言葉を尽くしても、実際に見たあの衝撃や感動をそのまま伝える事が出来ないと思うんです。

絵の大きさはまちまち。20cm四方ぐらいの小さなキャンバスもあれば、数歩下がって見上げなければ全体像がつかめないほど大きな絵もあり。これ一体どのぐらいの時間をかけたんだ!?と思うほど緻密に描き込まれた絵もあれば、大筆で薄墨でさらりと描かれた絵もあり。時にはキャンバスからこっそりはみ出してる絵もあったし、広いキャンバスにポツンと1羽、遠くを羽ばたく鳥の絵だけが描かれていたり。1枚のキャンバスに1つの絵だったり、普通のマンガの1ページのようにコマ割りされて描かれてるものもありました。


順に見ていく事で1つのストーリーを読むわけですが、台詞がある絵の前だけ人の流れがちょっと滞るんですね(笑)


見ながら、途中で何度も息を呑み、鳥肌が立ち、最後には泣きそうになりました。最後の作品の前では、去って行く『彼』が砂浜を踏むさくっという足音が聞こえるような気すらしました。



すごく時間をかけて見たような気がしたんですが、実際に会場内にいたのは40分程度だったようです。出てきたら16時直前でした。本当言うと、出口でUターンして流れを逆行して入口に戻ってもう1度最初から見たかったのですが、さすがにそういうわけにもいかず(笑)

館内にオフィシャルグッズショップが設けられており、そこの一部で壁やノートに来場者が感想を書けるようにしてあったんですよ。沢山ある『感動しました』や『大好きです!』に混じって、所々に『生きている事に感謝しました。また明日から頑張れます』とか『大阪から来ました。来て良かった!』という言葉があり……きっと、数え切れないほどの人の心に大きな何かを残したんだなと思ったら、改めて自分も見に来れて良かったと思いました。


会場を出て電話してみたら、アヤノの旦那さんが暇つぶしに子供を連れて街に出てきてるとの事。本当は
「ちょっとお茶でも飲もうか」
と言ってたのですが、旦那さん達がちょうど美術館のすぐ向かいのデパートにいると言うのでそこで解散する事になりました。アヤノはそのまま旦那さんと合流して一緒に帰る事にして、私はデパ地下のパン屋さんでいくつかパンを買って帰宅。ユウを預かってもらったお礼も兼ねて、半分は実家にお土産です。




ちなみにこのマンガ展、この後大阪と仙台で開催予定だそうです。スラムダンクやバガボンドを読んでおもしろかったという人はもちろん、読んだ事はないけど宮本武蔵に少しでも興味がある人なら、見て損はないと思います。当日券1,500円以上の価値は確実にあります。


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咲良 [MAIL]

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