その1。
保育園から帰る時に、いつも園庭の隅っこにある小さな滑り台をすべってから帰るのが日課のうちのお嬢さん。今日も滑り台に近付いていくので、いつものように 「1回だけよ?」 と言ったら 「うん!」 と頷いて滑り台に上りました。
ところが、今日は思わぬ障壁が。
大体、この時間帯はいつも年中〜年長さんの子達が園庭で遊んでるんですが、いつもは彼らにとっては小さいため見向きもされずに忘れられてるこの滑り台に、なぜか今日は複数の子がいたんですね。で、ユウが階段上ってさぁ滑ろうとしたら、滑る方から年中さん(多分)の女の子が逆走して上ってきちゃったんです。おまけに、後ろの階段の方からも同じぐらいの女の子が上ってきちゃって 「早く行って〜」 と急かされちゃった。
早く行って、と言われても、前に人がいたら滑れない。かといって引き返そうにも、すぐ真後ろに別の女の子がつかえてて動けない。そこで立ち上がって順番を譲るという発想はまだ3歳児にはないようで、どうしていいかわからずに完全に固まってしまいました。
しばらくは 「どうするかな〜」 と思って見てたんですが、3すくみみたいになっちゃって誰も動けない。っつーか、これは普通に考えたら逆走して上ってきた子がいけないんだよね?でもこれはちょっと親の贔屓目が入ってそう見えるのかもしれないけど……その逆走してきた子は、ユウが困ってるのをわかっててわざと通せんぼしてるようにも見えるんですよ。顔が楽しそうなの。
さすがにもう助けた方がいいかな?と思って近付き、ユウに 「おねえちゃん達にすべらせてってお願いしようか」 と言うと、うんと頷いて小さな声で 「すべらせて」 と言ったのですが、前に立ちふさがってる子は避けてくれない。
え〜……正直に言います。イラッと来ました(苦笑)心の中では 「どけやコラ」 と毒づきつつも、あくまでもユウに向かって 「もう1回お願いしてみようね」 と声をかける。ユウが頑張って 「すべらせて!」 とさっきより大きい声で言うのと、近くにいた保育士さんが事態に気付いて 「あ!コラ、○○ちゃん!」 と声をかけてくれたのが同時でした。
「○○ちゃん(←逆走してきた子)、危ないから反対から上っちゃダメっていつも言ってるでしょ〜?□□ちゃん(←後ろから急かしてた子)も、前の子に近すぎ!ちっちゃい子が間で困ってるでしょ!?」
保育士さんに言われた途端、2人とも 「あ、やべ」 みたいな顔をして、後ろにいた子はちょっと下がり、前にいた子はユウの脇をすり抜けて後ろに回り、おかげでユウはそのまま滑り降りて私の所に走ってきたわけですが……
う〜ん、なんというか、自分が子供を持ってからずいぶんマシになったと思ってたんですが、私の生来の子供嫌いは完全になくなったわけではなかったようです(苦笑)その2人だって悪気があったわけではないのだし、別にユウが危害を加えられたというわけでもないのに、一瞬本気でイラッとしましたからね。保育士さんが声をかけてくれるのがもう少し遅かったら、多分私は周囲の人に聞こえないぐらいの声で 「いい加減にしなさいよ、どきなさい」 って言ったと思います。当然、笑顔なんてナシで。あぁ我ながら大人気ない。
出来事その2。
夜、ユウがしまじろうのDVDを見たいとゴネ始めました。テレビの上に乗せてあるDVDを自分で取ろうとして、手前の縁に腰掛けるように置いてあった小さな猫の置物を落としたんです。私が 「あ!」 と言ったのでユウも 「しまった!」 という顔になり、DVDに伸ばしていた手を引っ込めました。
「ネコさん、落ちちゃったよ」 と私が言うと『うん』と頷く。 「こういう時はなんて言うの?」 と尋ねると、ちょっと考えてから 「……おちたよ」
いやそうじゃなくて(苦笑)私はそこで『ごめんなさい』という言葉を引き出したかったのですよ。目の前で起こった事をただ報告されても…とつい笑いそうになりながら 「おちたよ、じゃないでしょ?なんて言うの?」 と重ねて聞くと、う〜ん……と考えて、あ、と何かに気付いたような顔をして言いました。
「おちました!」
そうじゃない!(笑)誰が丁寧語に直せと…と今度はこらえきれずに笑ってしまったんですが、考えてみたらいつのまに『丁寧語に直す』なんて事を覚えたんだろう?
どうやら、『落ちた』じゃなくて『自分が落とした』事を自覚してないようだったので、 「ユウの手が当たったからネコさん落ちたんだよ。こういう時はごめんなさいって言おうね?」 と言ったら素直に 「ごめんなさい」 と言えたのですが、本当に語彙が増えたんだなぁ…と妙な風に感心してしまいました。
そういえばこの前実家に行った時も、両親の車がそろってたので私が 「あれ、お父さんいるのかな」 と呟いたら、それを聞いたユウが 「じいちゃん、いるかもしれないね!」 と言ったので笑ったんですよね〜。まぁ確かにその時のお目当ては父だったんですが(前日が誕生日だったのでお祝いにお刺身を買って行ったのです)、今まではこっちの言葉を繰り返すだけだったのに、いつの間にかちゃんと自分の言葉でしゃべるようになってました。子供の吸収力ってすごい。
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