結局あたしは、 大切なものが多すぎて、 その全てが大切すぎて、 その中から「いくつか」を選ぶことができずに、 全てを失うんだろうな。
そんなことを、 1人で、 煙草を吸いながら考えてみた。 もうすっかり慣れたガラムの味。 甘くて濃い。 濃くて、甘い。 初めて吸ったときは咳き込んで苦しかった。 久しぶりに吸ったら懐かしい味がした。 今ではすっかり肺にも入れてるし、 タール15mgが少し軽い。
あたしは誰にも、 自分から「好きだよ」って告白したことがない。 自分に自信がないし、 相手の関係を壊すのが怖いし、 …「好き」だなんて、 自分から言えるほど、 熱烈に誰かを好きになったことなんて、 ないのかもしれない。
トミタのことが好きだったのは事実だし、 だけどいつのまにか褪せた心は、 もう別に、 なんのトキメキもなくて。 誰かを好きになりたいなあって、 そう思っても、 実際、 誰かを好きになるのは怖い。 裏切りも、 嘘も、 偽善も、 面倒くさい。 だけど、 本心だけでぶつかれるほど、 天然のココロももってないしね。 だからといって、 駆け引きもできない。
スゴイ中途半端。
紫煙がゆれる指先。 ひとり寒い寒い屋外のベンチで、 吸ってる煙草。 寂しいなあって思うけど、 この距離もわかんないけど、 だけど、 なんだか、 ほんと。 嫌になる。
みんなみんな大好きだし、 みんなみんな、 いらない。
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