「水の泡」を家にある国語辞典で引いたら「水面に浮かぶあわ。物事のはかない−こと(さま)のたとえ。」と、「努力のすべてが無駄になること。」という意味が記載されていた。
水道の蛇口ひねれば見ることできるし、こんな世の中だ、はかないことなんて日常茶飯事である。

「努力したことが無駄になる。」なんてのも、しょっちゅうある。携帯メールを入力してたら、誰からか電話かかってきたりメール受信したりして、それに対応してると、近眼メガネをオデコに上げて見えにくい絵文字を一生懸命加えた文章が跡形も無くなっている。ワードとかエクセルでプレゼン資料作っていたのが、「ホントウに削除してしてもいいの?」と親切にもパソコンが問いかけてくれたにもかかわらず、指一本の操作で消えてしまう。因果応報なのかね。
ところで毎年2月、青色確定申告を行なっている。前年1年間の売上げ、経費を複式簿記で処理して貸借対照表、損益計算書にまとめ、確定申告書に記入し、税務署に持参する。最近は「インターネットでも申告できます!」なんて税務署が利便性をPRしているが、冗談じゃない。インターネットでできるのは「確定申告書に手書きで記入することがパソコンで入力できるよ」という点と、「税務署に来なくてもいいよ」ということだけじゃないか。そこに至るまでが大変なのであって、最後のことは楽しみですらある。特に税務署に持参すると、「どうもご苦労様です」と、公務員の方が丁寧に接してくださる。上得意のお客さんになったように感慨深い。
今年はちょっと売上げ、経費の処理が遅れ気味だった。なんせ、1年間の領収書とか伝票を広げてパソコンに入力していくので、娘の唯ちゃんが活動しているときには不可能な作業だ。早く寝かせてそれからやるかと添い寝していたらモリハルも朝まで熟睡してしまうし、酒飲みながら作業していたらいつの間にか昇天しちゃうし、遅々として進まなかった。なんやかんやで昨日、1年間の経費を入力し終え、売上げの入力も三分の一終え、「今日は最後までいっちゃうよ〜!ひゃっほう〜!」とパソコンの電源入れたら、いつまでたっても画面真っ暗。

7年前から使用しているパソコン、Windows98搭載、シャープ・メビウス。過去、奥さんと結婚する前に愛の電子メール交わしたりとか、ノート型パソコンをこれ見よがしに披露して「俺ッ、仕事できまっせ!」とパフォーマンスしたりとか、華やかな活躍をサポートしてくれたシャープ・メビウス君は今現在、年賀状の宛名出力と確定申告という職人気質的なお仕事のみ従事してもらっている。突然の引退宣言だ。
ひょっとしたら有森裕子が東京マラソンで引退したように、用意周到の引退かもしれん。だがモリハルにとっては突然だ。経費入力完遂と売上げ入力の途中経過に要した努力は水泡に帰した。ま、これでモリハル死んじゃうワケじゃないからヨシとするか。これまで頑張ってくれたからね。明日は唯ちゃんの誕生日だし。人間万事、塞翁が馬だ!
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