せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2002年02月13日(水) |
「Trick」稽古 2回目 |
今日は台本は使わずに、基礎トレオンパレード。 まずは、早瀬くんにフライングステージのノリのストレッチを指導、ていうかリードしてもらう。 例によって、いろいろなおしゃべりをしながら。 続いて、青山さんに同じようにストレッチを指導してもらう。 それまで約20分、あちこちを伸ばしていたはずなのに、これはけっこうきいた! さすがに元早稲田小劇場。カラダのありようについての意識がとってもとぎすまされている。 プラス、ノリがやや体育会系だ。 青山さんが体育会系っていうんじゃなくて、青山さんのしきり方がどことなく体育会系。 脱力が基本なんだけども、けっこうへとへとになる。 意識して伸ばすストレッチでのびないところが、意識しない、たとえば「ぶらぶらさせる」なんて動きで、しらないうちにのびているみたいだ。 そのあと、シアターゲームをいろいろやってみる。 しりとりは、まだ、テンポよくは運ばない。 チームとしてのまとまりがまだおっかなびっくりなかんじだ。 山手線ゲームで、女優やら、野菜やらをえんえんとあげていったんだけど、単語が出てくるかどうかというしりとりと同じ問題以上に、その場ですぐにしゃべれるかという「クイズ・タイムショック」な問題があちこちで出てくる。 まだまだよそゆきなチームなんだろうなとつらつら思う。 最後に、「お話聞かせて」の別バージョンでこのあいだの稽古でやった「今日あったこと」のアレンジ版をやってみる。 こないだの稽古でやったのは、「今朝起きたら……」という話を、一人が話し始めて、途中で次の誰かに渡していく。渡された人は、自分のこととして、その架空の「今日一日」をずっと話しついでいくというもの。 僕は、即興のエチュードというのが、あまり好きじゃない。 芝居をしているのか、お話づくりをしているのかわからないからだ。 一番いやなのは、そんなどっちつかずの状態でいるカラダのありようなんだと思う。 自分で台本を書くようになってから、ますますそう思うようになった。 ので、フライングステージの稽古場でも、即興でお話を作りながら演じてもらうというのはしたことがない。 お話をつくるなら、演じなくてもいい状態をちゃんと保証しておく。 「お話きかせて」はそういった仕組みでできている。 今回の「今朝起きたら……」は、全部を自分のこととしてしゃべるというのがポイントだ。 しかもその自分はどんどん移り変わっていく。 みんなで共有していく、「自分」っていうものと、架空の一日を共有していくかんじが、とてもおもしろい。 架空なんだけど、自分が経験したこととして話す。 出来心でついてしまった嘘を、あとから、まるで本当のことのように思ってしまう。 なんだかそんなかんじがだんだんしてくるから不思議だ。 今日は、少しアレンジして「グランドロマン」をお話ししてみることにした。 話し始めは郡司くん。まさに彼の得意分野、面目躍如といったところ。 物語は、往年のテレビドラマ「乳姉妹」さながらに、赤ん坊の入れ替わり、金持ちの一家と貧しい一家、実はホモセクシュアルな父親、監禁される薄幸な娘、ドイツへの留学、すべてを知る看護婦の暗躍、等々、かなり「グランドロマン」がくり広がった。
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