せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2002年11月04日(月) 「HAPPY END」稽古

 主人公の二人の出会いの場面をつくっていく。
 外枠の「お約束」の芝居とは、全然別の「生っぽい芝居」をヨシオとハヤセくんにおねがいする。
 場面の転換の稽古をしながら、まずは、やらないでおこうと思った「みんなが見ている
」という舞台上のしかけを、途中からアリにしてやってもらう。
 バーの場面から外に移動してからも、カウンターにいたみんなは、そのまんま舞台の上で、展開される物語をずっと見ている。
 それぞれの役で登場するのも、その席から。
 出会いはじめの微妙な時間、デリケートな会話をしている二人に、無理矢理からんでくる「邪魔する人たち」。
 まっすーとあらくんのカップルは、まっすーの「極端な芝居」が強烈だった。
 さんざんからんだあげく、自分の席に戻った時の「平然としたかんじ」がむちゃくちゃおかしい。
 その後登場するいっこうちゃんの、陰湿なからみ方もいいかんじ。
 すっと場面に入ってくるノリも湿っぽくて、役柄にぴったりだ。
 二人が部屋に着いて……という、とりあえずのハッピーエンドまでを稽古する。
 僕がいない間に、きっちゃんが僕の代役として、メキメキ力をつけているらしい。
 「でも、着物を着て、ふすま開けて登場してるみたいなんだよね」とのこと。

 帰りに、マミーと二人、タックスノットへ寄って、美人ママ、ウスイさんとお話。
 「gaku-GAY-kai」への出演を、改めてお願いする。

 高円寺に戻って、高市氏とミーティング。
 ずっと懸案だった、後半からラストのプロットについて、「これでいく!」というラインが決定!!
 西野さんのプロットのおいしいところをいただきながら、完全に僕のオリジナルになっていると思う。
 劇中の台詞で図らずも書いた、「ノンケに書けないモノを書こうと思ったら、まず自分のこと書くしかないでしょ? おまけにあんた以外の誰にも書けないモノを書こうと思ったら、自分のこと書くのが一番なんじゃない?」という台詞を「そのまんま」やってしまうことになったかもしれない。
 「ハッピーエンド」という「誰もが目指す幸せ」を書くということは、結局、僕自身を見つめ直すことになった。今考えれば、当たり前のことなんだけど、「脚色だけ」だと思っていたうちは、なかなかうまくいかなかった。
 結局、僕の芝居の作り方=自分が思っていることを書くということに、僕はたどり着いた気がしてる。「早く気づけよ」ってかんじなんだけどね。

 これでもうラストまで、一気に行ってしまえる。
 ただ、これからの「HAPPY END」はもう「他人事」じゃなくて、「僕の話」だ。主人公たち、それに他の登場人物たちの抱えてるものも、みんな僕が抱えてるもののかけらや全部になってる。
 それは、これまでと違った意味でとてもツライことだけど、だからこそのやりがいがある。
 走っていこう。
 追い風が吹いてきたとかそんなかんじじゃなく、振ってる腕や道を踏みしめてる足に、力がこもってきた、そんなかんじ。
 こないだみんなに書いてもらった「ぼくの理想のつきあい」の作文が、さらに僕を勇気づけてくれてる。
 これから先のいろんな場面がはっきりと立ち上がってきて、その場面を高市氏に説明しながら、僕はちょっとほろっとした。

 できる、できる。「ハッピーエンド」、きっといい芝居になる。
 よーし、がんばろう!!


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