せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2003年08月25日(月) |
歌舞伎座「野田版 鼠小僧」 |
思いつきで、歌舞伎座の幕見に並んでみることにする。 やや心配だったんだけど、立ち見ならだいじょぶそう。 キッちゃんに「来てるよ」とメールしたら、仕事を終えて、劇場正面に登場。 一緒に並んで、見ることになった。 それにしてもすごい人気。一番前の人は朝10時から並んでるそう。 野田秀樹の人気がすごいのかと思ってたけど、お客さんの顔を見ると、いつものおばさんたちが中心。客層が変わったんじゃなくて、いつもの人たちが、やっぱり見てみたいと思ってるんだね。 最初の「どんつく」は、みんながならんでるから豪華だけど、出し物とはしては「?」なかんじ。 毬を使った曲芸がうまくいってないし、踊りもこれというものがない。 大勢が少しずつ踊ってるってだけ。 歌舞伎座のおもしろいところは、客席の盛り上がり方も舞台と一緒に楽しめてしまうところだ。 「どんつく」の間は、みんな「ま、こんなもんでしょ」ってなかんじで見てたと思う。 幕間にキッちゃんに会って、おしゃべり。30分っていう幕間の長さは一人だとやっぱりつらい。ふたりでよかったわ。 で「鼠小僧」。役者さんたちが楽しそう。けちな棺桶屋の三太が鼠小僧になってしまう話に大岡越前守忠相の不倫話がからんで、やや複雑な筋立て。 子役が活躍するのはずるいなあと思いながら、涙腺はゆるみっぱなし。 さっきまでの沈んだ雰囲気とはうってかわって、劇場中が楽しさでいっぱいになってる。 そのことに感動してるんだと思う。 盆をいっぱいに使って、迫りで上下する長屋を飾り、勘九郎さんは大活躍だ。 お話としては、一昨年の「研辰の討たれ」の方が深いんだと思うけど、十分楽しめた。 三津五郎さんの大岡越前守がなんといってもおもしろい。不倫の現場を妻に踏み込まれて押入に隠れ、ふすまを開けるとお点前をしてるところとかね。 三太の義理の姉とその娘、扇雀さんと七之助。実は大うそつきな貞淑な後家の福助さんが、もうはじけまくってる。 最後は小判じゃなくて、雪が降って幕。せつない、いい芝居だった。 帰りは、キッちゃんと銀座までしばらく歩いてから、電車に乗って、おしゃべりしながら一緒に帰ってくる。 舞台稽古では幽霊役の獅童さんがモヒカンだったとか、裏話をたくさん聞く。
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