せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2003年12月21日(日) 贋作・大奥 稽古

 午後夜の稽古。
 僕は、台本を書いて、それから向かって、大遅刻。
 その間に、衣装あわせをしていてもらう。
 今回は、ほんとに未だかつてないほどのコスプレ大会だ。
 出演者だけで18人、役は30を超える。
 そのそれぞれが、着物をきて、カツラをかぶってるから、その総量はものすごい。
 今日は、歌ちゃんに高円寺に来てもらって、まっすー、マミーと一緒に運んでもらった。
 稽古場につくと、まず読み合わせ。
 第一部の追加部分を読んで休憩。
 その間にいろんな確認を。
 休憩あけで、第二部をどんどんつくっていく。
 途中のナンバーの振付もしてもらう。
 最後に曲入りていうか、歌ありで通す。
 あんまりミスマッチで「へこむ」のがこわかったので、「初めは大変だけど、そのうちダイジョブになるから」と先回りの言い訳をする。
 でも、思ってたより、全然ダイジョブだった。いけるわ。よかった!!
 後半は高市氏を交えて、稽古。
 彼は、今日が初登場。さすがの貫禄で舞台がしまる。
 彼は、お江与の方、昔の「大奥」では栗原小巻がやってる役だ。対する僕はおふく、後の春日の局になる役。
 できるだけカジュアルにやってという方向が徹底してきてる中、高市氏の時代な芝居がちょうどいいかんじではまっている。位取りがちゃんとしてるというかね。
 あちこちでべらぼうなお話を折り込みながら、第一部は終了。めどがたった気がするな。
 帰りも、歌ちゃんに荷物を運んでもらう。ほんとにありがとう。
 僕は、新宿のツタヤに寄らなきゃと思ってたんだけど、電車に乗り遅れ、このまま新宿に向かうと終電がなくなりそうだったので、今日はあきらめてすぐに帰ることに。
 地下鉄の中で、水月アキラと、この間見たNHKの人間ドキュメント「ハルウララ」の話をする。四国の競馬場で一勝もしてない競走馬「ハルウララ」。その馬が100敗するまでのお話。
 負け続けるこの馬を応援する人が増えていて、ツアーまであるそうな。病気を抱えた人が、がんばれ!とほろほろしながら応援しては、「また負けちゃったね。でもがんばった」と言って笑っている。
 僕も見ていて、なんだかわからないけどほろほろ泣けてきたんだった。一緒に見ていた母親に「やだ、泣いてんの」と言われたぐらい。
 この気持はなんなんだろう? 微妙に言葉にならないものな気がする。急に「ハルウララ」がんばれ!な人にはなれないんだけど、でも、勝てない馬を応援する人がいるということが、どこかでとってもほっかりしたきもちにしてくれることはたしかだ。
 「その言葉にならないもんをなんとか作りたいと芝居でも思うのよね」と水月アキラと話す。


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