せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2004年08月31日(火) 小松川演劇部

 台風一過の空が夜明けと一緒にぐんぐん晴れていくのを見ていた。
 小松川高校の演劇部の稽古に顔を出す。
 夏休みも今日でおしまい。
 そろそろ通し稽古ができるということなので、ひさしぶりに顔をだした。
 三年生のナッちゃんとこないだ卒業したアキナちゃんと一緒に、体育館の舞台で、見学。
 古城十忍作「肉体改造クラブ 女子高生版」。
 途中から、一番気になっていた場面に登場する「主任」くんを相手に、どうやって笑うかというエチュードをいろいろさせてもらう。お父さんがテレビと見ながら、笑っている。そのおかしさを娘を共有したいのだけれど、娘はずっとふてくされて、相手にしない。お父さんの台詞は「笑い声」だけ。しかも、同時にもう一組の母子の会話が展開する。この台本を上演すると決まったとき、一番難しいのはここのお父さんの芝居だと思った。少し見せてもらったその場面で主任くんはずいぶん苦労しているようだったので、お手伝いさせてもらった。
 理屈でああでもないこうでもないと積み上げていく演技は、それはそれとして正しいと思うけど、どこか窮屈な気がしてならない。
 エチュードで大きくつくった演技の、余分なところの角をとって、演技プランに生かしていく方がずっと生き生きとしたものになるような気が僕はしている。何より、その方がやっていておもしろいんだもの。これは、見てる側の感想じゃなく、自分でやってる時の気持としてもね。
 主任くんには、自分の中からだけで気持をつくろうとするより、相手役やそのとき見ているテレビから何かをもらって、気持を動かしてごらんと話す。
 午後から、通し稽古を見せてもらう。まだ、衣装、小道具の全部はできてないながら、流れとしてはほぼできあがっている。ただ、まだ、みんなが自分一人でがんばった成果の発表が順番に続くだけなかんじ。台詞は入った、動きも覚えた。その先の、芝居づくりは一人じゃできない。みんなでつくっていくものだよと話す。
 主人公の幻想の中で幸せな家族が繰り広げる誕生日パーティの風景、楽しさがいまいちぎこちない。みんなが自分の台詞と動きをなぞるのにいっぱいで、やりとりになっていかず、楽しさが盛り上がっていかない。
 台本の設定と、一度ついている演出を忘れて、思い切り楽しくやってみてもらうことにする。
 うなだれて登場する主人公を演じるヤブコちゃんには走り込んできてもらう。お行儀のいいお母さんをていねいに演じているアメちゃんには、もっとヤブコちゃんの身体にタッチしなさいと話す。
 そうしてできた場面はなんだかむちゃくちゃ生き生きとしていた。すごいじゃん!これだよねえ!と見ていたみんなで盛り上がる。
 一気におもしろくなったので、どんどんやってみる。
 夢のように幸せな誕生日の場面の後、そっけない両親とのほんとうの誕生日の場面が続く。
 ここまでを通してもらったら、夢と現実の落差がすごくて、とっても切ない場面になった。
 時間が来たので、今日はここまで。何よりみんなの生き生きと演技する姿を見ることができてよかった。自分一人じゃなくて、みんなで芝居をつくっていくことのおもしろさを、どんどん楽しんで、いい舞台をつくりあげていってほしいと思う。

 帰り、平井の駅前でおばさんの衣裳に使えそうなものを山ほどみつける。値段もお手頃、ゲットするかと思いながら、もう少し考えてからにしようと我慢する。
 いずれにしても、サイズが問題。
 フリーサイズでかなり大きめに見えるけど、僕が着るとけっこうパツンパツンだったりするから油断できない。
 バストが大きいおばさん用っていうのを、胸囲が広い僕が着るのは、なかなか難しい。肩幅もあるしね。プリーツ素材だからって安心はできない。
 衣裳については、土曜日に三枝嬢とうち合わせ。予算の少ない中、今回も通販で何点かゲットすることになりそう。
 あ、報告が遅れましたが、次回のフライングステージ公演「約束」での僕の役は、またかというかんじでおばさんです。

 夜になったら、どんどん肩が凝ってきて、気分が悪くなる。
 特に右側。親指のつけねもパンパンに張っている。
 このところパソコンに向かう時間が長いからそのせいだろうか。
 バンテリンを塗ったら、ものすごくひりひりして、大後悔。しばらく使わない間に蒸発して濃ゆくなってしまったのか、それとも、僕の肌が弱くなっているのか。
 あまりに、いたたまれないので、風呂に入って、洗い流した。
 いつもより長めに湯船につかるが、肩こり自体は、少しも改善されない。


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