せきねしんいちの観劇&稽古日記
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「gaku-GAY-kai 2004」の台本のため、「雨に唄えば」を見てみる。 今回の「贋作・毛皮のマリー」は、寺山修司の「毛皮のマリー」に、ビリー・ワイルダーの映画「サンセット大通り」をミックスする予定だ。正確に言うと、アンドリュー・ロイド・ウェーバーのミュージカル「サンセット大通り」をミックスする。 今のところ考えているコピーはこんなかんじかな?
サイレント映画のスターだった女形俳優のマリーさんは引退して、今では鎌倉山で静かに暮らしている。でも、夜な夜な横須賀の港でGIの袖を引いているというウワサも……。 そんなマリーさん、実は、まだカムバックの夢を諦めてないらしい。 きらびやかな贋物ばかりの寺山修司の名作を、もう一度ひっくり返してみようという贋作シリーズ最新作!
時代考証も何もかも全部でっち上げて、今年もまたべらぼうなお話を書いてみようと思う。 「雨に唄えば」は、まさにサイレントからトーキーに移行する映画界を描いた名作。 僕はずっとこの中で、悪声ゆえにスターの座から転落するリナ・ラモント(ジーン・ヘイゲン)をかわいそうだなあと思って見てたんだよね。ま、自業自得ではあるんだけれども。 で、このサイレント映画のスター、リナ・ラモント像をもとに「サンセット大通り」のノーマ・デズモンドは考えられたんじゃないかと思ってたら、製作年度は「サンセット大通り」が1950年で、「雨に唄えば」が1952年なことが判明。もしかしたら、「雨に唄えば」の方が「サンセット大通り」のパロディ的な要素を持ってるのかもしれない。 今回見直しての発見は、ラストに登場するリナが舞台で「雨に唄えば」を唄って、デビー・レイノルズ演ずるキャシーが吹き替えをしているシーンが一番おもしろくなりそうだということ。 「毛皮のマリー」のマリーさんの長台詞に登場する「かつこ」は、デビー・レイノルズなんだと勝手に決めてしまう。 使えそうなナンバーは、改めて見てみても「グッドモーニング」と「雨に唄えば」くらいかなあというかんじ。これに「蒲田行進曲」をプラスしてみたら、どうなるだろう。 まだまだひねりがいのありそうな題材、もう少し、あれこれ考えてから書き始めてみようと思う。 これから年末までは、「毛皮のマリー」のマリーさん、「サンセット大通り」のノーマ・デズモンド、もとい、僕が作り上げる、サイレント映画の女形スター、川野万里江とのおつきあいだ。
夕方、池袋にて、非蓮函の蓮子くんと会う。早瀬くんも一緒に。 お茶しながら、ひとしきりおしゃべり。 蓮子くんは24歳。早瀬くんより若いんだということに、ややショック。 いつもよりも「お兄さん」に見える早瀬くんのとなりで、大きくなった子供を見守る母親の気分。
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