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2001年07月07日(土) パリ

 パリに来た目的。 今から8年前に偶然ある写真で見つけた教会を見ること。
手がかり、ノートルダム。これだけ。 その教会の写真があまりにも素晴らしく金がないながら衝動買いしてしまった経験がある。 その教会がどうしても見たくて、そしてノートルダムの手がかりだけを頼りにこのパリに来た。

 昔から、ノートルダム寺院はパリにしかないと思っていたが、ノートルダムとは聖母マリアという意味らしい。 確かにこの旅でノートルダムと名の付く寺院を多く見つけ、その度に見学してきてはいるがお目当ての寺院ではなかったね。 
でも、パリのノートルダムは違うはずだ。 キットここにあるはずだ。

 昨日からこのパリで一緒になった旅人と一緒にノートルダム寺院を見つける。
彼はガイドブックを多数所持しており非常に助かった。 彼は、フランス南部で行われる大道芸人の世界大会のようなものに行きたかったのだがホテルがなかなか取れずパリで足止めになっていた。 現在、現代アートの勉強をしているらしい。
彼は、自分で分析型といっていた。

ノートルダムの感想でかい。 今まで見てきたノートルダム寺院とは違う。 このサイズなら捜し求めているキリストと12使徒があるはずだ。 セーヌ川を越え駆出しの画家が多く集まる一体を抜け一抹の不安を胸に中に端最大のゴシック様式の教会へ入ってみる。中は観光客でごった返していた。流石に七月にもなるとどの町も観光客で込み合っている。 
 
 教会特有の薄暗い院内を人ごみを掻き分けなかが正面に回ってステンドグラスと十字架の光の目の前にたってみた。

 「違った。」 ここにも無かった。 俺の捜し求めている物は無かった。 確かに素晴らしいが違う。 これではない。
 「家に電話して手がかりをもっと。」と旅人はいう。 でも何年も前の事なのでその本がどこにあるかもわからない。 まして家族が見つけられるとは……。

 でも、これでいいのかも。「いつか見つかる気がするんだ。」運命って奴。今まで会ってきた旅人に「この教会」の話をしてみてきた。
「無理だよ。」という。 でも、俺の捜し求めている教会には偶然、あるとき見つかる気がする。 いや、見つけてみせる。

 俺の流れるように生きる人生の中で、偶然昔見た写真と同じ実物がね。 そうやって生きるのも悪くないね。 だから、キット叶えてみせるさ。 もう一つの長年の夢を。 


 
 


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天風

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