京のいけず日記
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2004年10月28日(木) |
HEROの話のはずが…(新選組! 41回目の妄感) |
やっと。撮りぱなしにしていたビデオ「HERO」を見ました。
派手な格闘シーンばかりが目について、すっかりアクション映画だと思っていたのですが、違いましたねえ。 何とも深い…映画です。
折り重なるストーリー。凝った構成。観念的な世界が印象的でした。色の用い方、鮮やかな映像美、スケールの大きさにも圧巻されます。
ラストシーン。暗殺者に対して処刑の号令を、と、皇帝に迫る側近達の大音声。意にそぐわず、支配者であるがために、苦渋の顔で号令を下す皇帝。
矢面に向かい、平然と運命を受け入れる主人公。かたや、もう一人の主人公は、自らの志のために、かわせる剣を捨て恋人に刺されてしまう…。
ぐっときます。また、雨あられと、放たれる矢の量がすごい。
大義に生きて、死んで往く男たち。ほんまにあほやねん。ええかっこしい。かっこ付けて死んだらあかん。うちは女やし、心のままに生きるの。
若い頃はウーマンリブのはしりの時代で、男やし、女やし、ていう考え方が嫌いやった。何で女は男のように生きたらあかんねん、て、よう思ってた。
昔「11人いる」て漫画があって。(モトちゃん作♪)で。その中に、ある年齢までは性別がなくて、年齢に達すると、自分で性を選べるという体の、やんちゃな可愛い宇宙人?が登場します(…な、名前忘れた〜。なんだっけ) 実は、こういうのにすごく憧れていた。
ただ、そうなったら、たぶん、好きな人と、同性で、同じ仲間で、友達としてずっと側にいるか、恋人として過ごすか、すっごく迷っただろうなぁ。
うん?もし選べるなら?そやな。やっぱり…。うちは男になって歳三さんのそばにいたい。同じように呼吸がしたい。守りたい。
…HEROが…なんで、そっちにいくねん。では、以下、その感想を。
------ ● 新選組!第41回目の妄想的感想 「観柳斎、転落」● ------
演出:小林大児
へこむ観柳斎に「甘えるな」という一喝シーンがあるんだけど。 こんな格好した歳三さんにボソっと言われてみたかったりして…えへへ 怖くて変な顔…。またまた失敗作。
「勝ちゃんッ!」 「歳ッ!」 ヒシッ。 バンバン。 俺達、ご直参、ついに武士になれたぞ、と、ひしっと抱き合い喜ぶ二人。 このコミカルな冒頭シーンを除いては何ともやりきれない回でした。
★武田観柳斎の最期
時流に乗り遅れ、組の中で存在価値、居場所を失っていく…、永沼流兵法の軍師、武田観柳斎。ドラマの中では自己顕示欲、保身欲の強い、嫌な男として描かれている。
その観柳斎の最期を、三谷さんは、土壇場で、薩摩藩への裏切り行為を思い止めたり、自分が原因で死んでいった河合の墓参りをしたり…と、最後で救っている。
そして救ったかに見せておいて、最後は、現実は皮肉なもんだとばかり、観柳斎ばかりか、彼の再生を認めた近藤や、土方をも暗い淵へ突き落とす。
人情モノは好きなのに、何ともやりきれない。後味が苦い。 観柳斎役の八嶋さんも好きだし、一人一人登場人物を拾い上げていく三谷さんも好きだけど、…もっとドライに描いてくれた方が良かった、と思った。
観柳斎の美談がお手軽で何となく中途半端な気がした。こういうラストを持ってくるなら、コミカルな役どころばかりでなく、もっと観柳斎という男を、もう少し描いてほしかった。そしたら、胸に熱く迫ったと思う。 (生意気な感想ですみませんです)
★直参取立て
慶応3年6月。晴れて直参に。でも、その半年後には王政復古になって、幕府は瓦解しちゃうの。
落ちるはずもない不良手形の乱発、あとさき考えない大盤振る舞い、政府首脳…じゃない、幕府要人は何を考えてんだか。
だけど。そんな背景があっても、内情が分かっていても、近藤さんや、土方たちは純粋に嬉しかったんだろうね。
俺たち、とうとう武士と呼ばれるようになったな、って。
もっと大きな土俵の上で喧嘩が出来るぜ、とか。肩書きが何ンぼのもんだ、なんて。漫画や小説のようにカッコ良く言ってくれたりしたらいいけれど。
きっと。ええかっこしいの歳三さんも、出世して、肩書きもらって、得意満面だったんじゃないかなぁ。でも。それでいいもん。 この分かりやすさ! できるなら、単純明快に生きたいね。
★照英・島田魁さん 照英さん、なかなかいいですねー。大きな照英さんの背に、背負われている山本歳三さんの姿、見たいなー♪
★今週の香取勇さん 観柳斎に降格を告げるにあたり。 「これ以上、あなたへのあたりが強くなるのを防ぐためだ」
うーむ。なるほど。そういう風にいうのか。香取勇さんのセリフには毎回感心します。人心をつくのが上手いなぁ。いやぁ。時々、ズルイなんて思ったりもしますがね。 (^_^.)
★今週の山本歳三さん 亡くなった観柳斎の骸のそばで、うなだれている土方。 「もうこれで最後にしような」という近藤に、頷く表情が切なかったです。
西郷どん、坂本竜馬が、日本を憂い、駆け引きしているシーンのあとで、かたや、こちらを見れば観柳斎…。相変わらずの内紛劇。この対照的な絵。故意的なんでしょね。やりきれなさに、余計に愛情を感じてしまいます。
で。この日記を書いてる、実は日曜日。油小路の決闘ですね。新聞の予告欄見ていたら、大石君、今回も大活躍らしい。伊東らの行動も面白そうな話になっていますが…。 はて。どんなもんじゃろほい。楽しみ♪
Sako
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