つぶやける乙姫
辛口なのか、毒なのか・・・

2003年03月17日(月) 「陽だまりのグラウンド」

キアヌの爽やか感動系ストーリー。
なぜだかワシの周りにはキアヌを非常に好きな人が数人いるために、なんとなく新作をチェックするようになってしまいました(^^;)。この作品はすでに新作じゃないけど、実はキアヌはサスペンスとかアクションにでるよりも、こういうドラマものに出ているときの方が好きなワシでありんす・・・。


というわけであらすじ。
コナー(キアヌ・リーヴス)はスポーツギャンブルで多額の借金を背負い込み、人生を誤っただけでなく、取立屋に追われる身となる。
抱えた借金1万1000ドル。しかし、これを週割りで払っていかないと命が危うくなることから、恥を忍んで幼馴染の証券会社員に借金を頼みに行く。すると、週500ドル払うから、スラム街の子供の野球のコーチになれといわれる。普段やっているダフ屋だけでは当然借金の完済などできないと知っているコナーはしぶしぶコーチを引き受けることになるのだった。
しかし、チームは思った以上にボロボロ。宿題をしないからと野球を禁止された子供の面倒を見るハメになったり、練習帰りに暴漢に襲われた子供のために、車で送り迎えをするハメになったり。
しかし、子供を家まで送り届けたコナーは、あまりにも子供たちの生活が殺伐としていることに驚く。銃弾に怯え、暴力や犯罪と隣り合わせの毎日。そんな日々の中で、どれだけ子供たちがコナーとの野球を楽しみにしているかを知り、コナーの心の中にいまだ芽生えたことの無い気持ちが沸き起こってくるのだった。
チームのユニフォームすら、ちゃんと揃えられない状況で、果たしてチーム「キカンバス」は選手権に出ることができるのか?そして、コナーの借金は完済できるのか・・・??


とまぁ、こんな感じ。本当はもうちょっと大きな山が後半にガンガンとくるんだけど、それは言わない方がいいので、内緒(笑)。


さて。まぁ、泣きます。そういう映画です。
一見すると「がんばれベアーズ」か?というようなストーリーですけど、かなり雰囲気は違います。なぜかというと、ベアーズの方は、技術的に劣っている子達が猛練習の末に強くなっていくというスポコンものです。が、こっちはスポーツの上での優劣がどうということは二の次で、スポーツをする精神の方の話なのです。
コナーのヤクザな生活と、子供たちの生活環境がひとつの底辺。そして、野球はそんな彼らが「変わる」きっかけとなってくれる鍵って感じです。

子供を家まで送ったコナーが、網戸越しにアパートのほかの家を覗くと、他のどの家もみんなが居間で床に座っている。驚いてそのことを送っていった子供に聞くと、子供はあっさりと
「銃弾に当たらないように、窓の下にいるんだ」と答える。
思わず言葉を無くすコナー。そして彼は思わず聞きます。
「楽しいこととか、あるのか?」
すると子供が言うのです。
「そうだな、野球してるときかな。・・・あんたと」



この映画、とにかく子供たちが上手い!すばらしいです。
おまけにすごいなーと思うのは、軽いやりとりとその間で、10の説明よりも多くの感情を見事に語っているのです。そう、ようは「説教臭くない」のです。
この手の映画って、どうしても最後に「AはBだ!」みたいな教訓ちっくなセリフが入りそうだけども、そういうものがない。そういう意味では現代的かな〜。コーチっぽくないコナーも、妙に大人びた目をするくせに、やっぱりまだ子供だなと感じる子供たちも、非常に素直。だから、彼らの気持ちがするっと心に入ってくる。
じわっと染みてくるようで、それでいて爽やかな映画です。

人生つまんない・・・とか、趣味が無いとか、逆になにか好きでたまらないことがある人なんかにオススメの一作です。


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