| 【読書】デスティニイ |
デスティニイ(上・下) エリザベス・ヘイドン著 岩原 朋子訳 ハヤカワ文庫FT
感想: ラプソディ三部作の完結編。 とりあえず、無事完結してくれてほっとしました。
内容はと言えば、またもや、これでもかとばかりに続くすれ違いの連投です。 本作の骨子は、縦軸に心の底から愛し合っている二人のすれ違い劇を持ち、横軸にフドールという世界を滅ぼさんとする悪霊を相手にした、予言にうたわれる「三者」、すなわち、血脈・大地・大空の子供達の戦いで出来ています。 エミリーとグウィディオン(サム)の、運命の恋人として相手をお互いに認め合い、これ以上ないほどの愛情を持ちながらも、運命に翻弄され、すれ違ってしまうストーリィ。 グルンソルとアクメド、そしてラプソディが織りなす、世界を救い国家を建てるストーリィ。
物語を構築する力がとても素晴らしく、ぐいぐいと物語に引き込まれていきます。 真実のみを語り、歌声で世界を表現し、時には「命名」によって物事を根本から変えてしまうことの出来る力を持つ「歌い手」ラプソディ。 感覚により、全ての生物の鼓動を感じることが出来、その鼓動に自らの鼓動を合わせることで相手をどこまでも追跡し、外れることのない飛び道具「クウェラン」で確実に相手を仕留める「ブラザー」アクメド。 見上げんばかりの巨体に、見るだけで相手が萎縮してしまうほどの凶悪で残忍な武器を背負い、戦いともなれば一騎当千な「曹長」グルンソル。 他にも、数々の登場人物が登場するのですが、本当の意味での「良い人」というのがとても少ないです。 ある人は利己的で、ある人は乱暴で、ある人は薄情で。 でも、いや、だからこそ、キラリと見える一瞬が輝くのかもしれません。 そういう書き方が、とても上手い人だなぁ、と思いました。
なんか、続編があるという話が後書きに書いてありますし、次作を楽しみに待つことにしましょ。
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2003年11月09日(日)
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