徒然駄文
DiaryINDEXpastwill
【短い言葉】top【映画と本のBlog】【お絵かき】


2002年04月17日(水) 土漠

毎日新聞で興味深いコラムの連載が始まりました。
コラムじゃないや、エッセイかな?光野桃さんの
「コーランを聞きながら」46才バーレーン移住、ってのです。

中近東から北アフリカにかけて結構興味があって、
昔本をよく読みました。が、人類学者のフィールドワークの本とか
落合信彦系、とか(^^;)ばかりなので、何というか、感覚は一般人とは違います。
それはそれでとても面白かったんですが、今回新聞で始まった連載は
感じ方の方向性が「一般人」! 今日のが第2回目だったんですが
読みながら、おおおおおお、と思ってしまいました。

土漠(砂漠じゃないです)の、行っても行っても続く同じ風景。
360度展望の、遮るもののない荒涼たる風景
距離感覚が狂い、目眩がする、というくだり。

私は日本で生まれて日本で育って、それも本州の真ん中あたりで
ずっと暮らしていて、他の土地のことをよく知りません。
映画とかで見てもそれは画面の中のことだけで
BGMがついていたりお話がついていたりして
それはイメージの中の風景であって、本当にある風景とは
きっと違うんですよね。その映画が「作り上げた風景」なわけです。
また、実際に旅行でその土地に行ってもそれはそこを通りすがるだけの
ものなので、本当のところはそこで暮らしてみないと分からない。
そういうものだと思っています。

このエッセイの続きがとても楽しみ。
人類学者さんや落合信彦氏の視点ではなく、
主婦(作家さんだけど)の視点で書かれるであろうバーレーンの姿が楽しみ。



余談。私は身近に緑や水がないと生きていけないなあ、とは思うんだけど
新婚旅行でニュージーランドに行ったときに初めて「緑に食傷」しました(笑)
あそこも行けども行けども同じ風景。延々連なる丘。森。羊。
緑と青と白だけ。日本って結構箱庭だよね、風景が。
あ、違うか。大阪なんかで育ったからそう思うのかな。
車で1時間や2時間も走れば風景はころっと変わりますから。
日本の中では北海道の広大さにはかなりびっくりしたけど
他の土地ではそんなに違和感を感じたことはないなあ。

緑が延々続くのと、砂漠が延々続くのとはずいぶん違うだろう、とは思いますが。
ブロンテの「嵐が丘」に出てくるような、ヒースの荒野はどうなんだろう。
ニュージーランドの羊の居る風景とは全く違うだろうけど。でも土獏ともまた違うような。
どちらにしても、人間一人の存在なんかとてもちっぽけなものだ、とは
感じられるんじゃないかな。


pastwill  SayaTomoko 【短い言葉】(MIDI site)【映画と本のBlog】