愛があっても疲れる

2004年04月04日(日) 名探偵じゃないよね。

金田一耕助シリーズ(でいいんですよね、秋にも第2弾あるらしいし)
「犬神家の一族」の巻
最初の「誰も知らなかった金田一耕助」
以前、何かで読んだことあった様な気がして探してみたのですが
何年か前の「新世紀『謎』(ミステリー)倶楽部」に入ってました。
所謂パロディーもので作者さんは横溝フリーク作家さんの芦辺拓さん。
「≪ホテル・ミカド≫の殺人」と言うタイトルの短編です。
1933年(昭和でいうと8年?)のサンフランシスコが舞台で
大日本帝軍人が娼婦を射殺してハラキリで命を絶つ。
偶然居合わせたホノルル警察のチャーリー・チャン警部と
私立探偵のサム・シェパードが捜査に当たるけど事件を解決したのは
東洋人で麻薬中毒の皿洗いバイトのコフスキーという青年。
実はこのコフスキーが耕助だったというのがこのお話のオチです。
金田一の探偵デビューは「本陣殺人事件」ですが
実はアメリカ時代に事件を解決していたというお話です。
丸まるこのお話じゃなくて細かい所は違うけど
元にはなってると思います。
ただ、これは横溝正史が書いたものではないし無理に入れなくても
2時間半で「犬神家」だけでも良かったような気もします。

ゴローちゃんの金田一はお茶面でキュートで
金田一の鼻持ちならないところとかも凄く上手く出してたと思う。
なんだけど、横溝正史の世界はもっと陰惨で猟奇的で
ジメジメしてて人間の暗い情念がドロドロとにじみ出てるんですよね。
今回のは色使いとか星ワールド全開で綺麗なんだけど
う〜〜ん、何か違うなと言う感じで。
恐いのが苦手な方は見やすかったかも知れないですね。

キャストでは珠代さんというのはかなり重要な役なのですが
加藤あいちゃんは綺麗だけどパンチ不足かな。
市川崑監督の映画では島田陽子さんがなさってましたよね。
仲間由紀恵ちゃんとかだったら良かったかな。
でもまだシリーズで撮るんだったらいずれゲストで出そうな気もしますね。

金田一シリーズを見ると(これは誰が演ってもです、原作ありだから)
いつも思うのですが金田一って絶対名探偵じゃないってこと。
事件が起こりそうだから、と依頼されて行くのに
主だった重要人物があらかた殺され尽くしてから
「いや、実はこういうことだったのです。」って言われてもねぇ。
おまけに犯人には自殺を許すというパターンが多すぎて
そこで「しまった〜〜」はないだろう、と。
今回も謎解きの途中で「そこに事件の面白さと難しさがあったのですね。」
と不謹慎なこと言ってたけど金田一は事件の過程を楽しんでるんだと思う。
死体の山は築かれるし、犯人は逮捕できないしなのに
どうして地元警察があんなに金田一を崇めるのかもよく解らないです。
あんまり役には立ってないんじゃないかなぁ。

「旧野崎邸」とか知ってる場所もたくさん出てきて楽しかったです。
成羽町の吹屋の町並みも戦災にあっていないので昔どおりの佇まいです。
また暇な時にドライブがてらロケ地巡りでもしてみようかな。
でも良く考えたら「犬神家」って全然岡山が舞台じゃないんですよね。
「八つ墓村」は完璧に岡山が舞台ですのでまたロケにお越しください。






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nanako [MAIL]