オトナの恋愛考
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2010年04月05日(月) いつも逢いたい、ずっと逢いたい






私はあの夜の事を最初で最後にしようと思っていた。

ひろには悪いけど
既婚者同士のセフレになんてなりたくない。

決してあの夜の彼との事が悪かったわけでなく
それどころか良すぎてまた深く知りすぎて
また失う時が来る事が恐かっただけ。

たぶん一生忘れられないであろう男との別離から
ちょうど3年が経ち、あの時の心優しい女友達たちの言葉通りになった。
男から酷い仕打ちを受けてシングルで母親になった友人の言葉。
「時間がすべて解決してくれるよ。」

10年以上も密かな恋を続けている一見派手だけど一途な友人の言葉
「男に受けた傷は男で癒すしかないんだよ。」

そして皆一様にこういった。
「あんたは悪くない。男がみんな悪い。」


男が悪いんじゃなく、自分が選んだ選択の結果だから
それはそれで仕方がない。

でも3年という年月はやっと私を過去の男から切り離し
そして傷跡はカサブタとなり
それを優しく舐めて癒してくれる存在にめぐり合った。


ひろ

10日前の真夜中0時を回った頃
その日一日最後の彼からのメールが寝床の中の私に届いた。

「さすがに疲れちゃったよ。こんな時はまたうさぎと一緒に
 お風呂に入って癒されたいよ。」

もうメールだけの関係になろうと思っていた彼に
私は返信をした。
「あのね、正直に言うとあの日が最初で最後にしようと思ってたの。
 でもそんなこと言われると私もまたひろと一緒に
 ヌクヌクしたくなっちゃうよ。」

彼からの返信がすぐにきた。

「嘘でしょ?最後だなんて嫌だよ。
 うさぎに逢いたいよ。いつも逢いたい。ずっと逢いたい。」


彼の言葉は私の琴線に触れた。


「私も逢いたい。早く逢いたい。」

初めて抱き合ってから1週間目の真夜中の会話。

私はまたひろに心から逢いたいとそう思った。


「来月になったら有給をとってうさぎに逢いに行くよ。」

日本中を飛び回っている忙しいビジネスマンのひろじゃなく
そこには甘えん坊でわがままで可愛いただの男がいた。


夢うさぎ |MAIL

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